第22話

翌日、千里ファンクラブは無くなっていた。

急なことにどうでもいいと思っている俺でも驚いてしまった。

いつも朝から俺にちょっかいをかけてきていたのに、今日はなぜかないなと不思議に思っていたんだ。


そんなところで


「えっと、何があった。ファンクラブ代表」


俺の目の前でいままで依存していたものが無くなかったかのような絶望感をぷんぷん出しているこの男(名前知らん)にそう言った。


「…………」


「おいなんか言えよ……」


廊下で俺がこいつを見つけた時からずっとこうだ、びくともしない。


「ふぁnkらgふぁ」


「は?」


「僕は何のファンだったんだ?」


「は?なんて?」


「僕はなにをこんなに熱心になっていたんだ。そうだ勉強しないと勉強勉強............勉強勉強勉強」


そのまま代表は足を引きずったまま自分でぼそぼそと言いながら廊下を歩いて行った。何も知りえることがなかった俺は呆気なくその場を立ち去ることしかできなかった。しかしながら顔さえも代表のことしか知らない俺はほかの誰かに聞けるはずもなくなぜ解体されたのか知ることができなくなってしまった。


「はぁ」


「溜息なんてついてどうしたの?何か嫌なことでもあった?誰かに何かされたの?それなら言ってあーちゃんのためならどんなことでもするから、ていうかあーちゃんの体操着姿も最高。いい匂いするぅ」


嫌なことを絶賛今もされながら、嫌いな人に心配されることがまた嫌だ。


なんでもするならここからででいってくれ頼むから。

てかなんでいるん?

体育で使うシューズを教室に忘れたから教室に戻ってそのことがめんどくさくて溜息を吐いていると後ろには俺のストーカーがいたってわけだ。


「唯一、理由があるとしたら怖い女の人がいるからかな」


「そっ、そんな人がいるの?!誰?!女って、、うそ。。。あーちゃんに女がいないことを確認済みなのに!誰?教えて?すぐにでもその女に地獄を見してあげるから」


冷静な俺の前に、毒でも盛られたかのように見悶えてる幼馴染がいる。頭を抱えて呪文のように何かをボソボソと言ったり叫んだらしているのだ。絵面的に最高におかしい場面で俺はとにかくこいつが頭が変なことに困っている。


「はぁ………とにかく行くぞ。あんまり長居すると先生からサボりと思われても嫌だからな」


「そんなことどつでもいいよあーちゃん!とにかく教えて!そいつの名前を。早く!あーちゃん!」


顔を合わせて、行くぞと言っても来る気がないのか

ずっと1人で怒っていた。


ので


「あーちゃんおしえt」


「お前のことしかねーだろ!」


ドンっ!カチャ。。


ドアを閉めて悪魔を教室に閉じ込めたった。


最悪廊下の窓から出れるから別にいいだろう。


て言うか、今日の情報量が多過ぎて俺の頭が爆発しそうだ。



「遅かったな、サボってたのか?」


「いや、思ったところに靴がなかっただけ」


体育館に戻ると既に、バスケットボールのゲームが始まっていて休憩中の早川の横に行った。


「ふーん」


それと同時に壁に持たれながらあぐらをかいた。


「はぁ……疲れたぁ」


千里のせいで、精神面で少し疲労してしまった。


「どうしたん、話聞こか」


「いや、走ってきて疲れただけ」


ふぅとため息をついて、試合を見ようと正面をボーっと見つめた。


「ピーーー!」と鳴るホイッスルの音や「ナイス!」などの声援が俺の耳を通っていく。

運動が苦手な俺からしたらあまり盛り上がらないことなのでどっちかと言うと視界をぼやかして考え事をしていた。


「おぉ、上手いなぁ」


隣で呟いてる、早川も環境音にすぎなかったが何か上手いプレイでも起きたのかと現実に戻ってきて視界をクリアにした。


ボールに目を追ったりなど色々と目を動かしていた時、体育館を半分に男子と女子で分かれているんだが俺らの対角、つまり女子側からすんごい視線を感じた。


見られている?と自意識過剰になるくらいそれはもう1人の女子にまじまじと見られていた。


ゲームのしすぎか、最近目がボヤけるので目を凝らして見てみると、先ほど教室に閉じ込めたはずの怪物がこちらを凝視しているではないか。

その怪物は、1人ちょこんと体育座りをしていた。


やばい、目を合わす人を間違えたと思いながらも

見ていると千里がニヤニヤし出して蕩け出した。


やっぱり、あの人こえーよ。一回自分がどんな顔してるか見て欲しい、本当にだらしない顔してるから。


「なに女子の方見てんだ?まさか誰か狙ってたり?」


「そんなんじゃないって、まじでさっきからぼーってするだけだ。」


「そっかそっかー」


なんか嬉しそうに、早川は俺の話を流した。

俺は怪物にマークされているというのに、助けてくれないなんて。。


うぅ、、何もしょうがなく怪物に囚われながらもその時間は過ぎていった。




























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