強迫観念はとても厄介なもの

 夜中、オフトゥンで気持ちよく眠りにつこうとしていた矢先に、お隣さんから子どものギャン泣き声が聞こえてきた。

 賃貸マンションのせいか、壁はそれほど厚くない。

 脳の血管が切れるんじゃないかってくらい激しく泣き叫ぶ声に心臓がドキドキした。


「ただの夜泣きだよね?」

「もし虐待だったらどうしよう……」

「もう三十分も泣いてるんだけど、大丈夫かな」


 うるさいから寝られない、というより何か良くないことが起きてるんじゃないかと気が気でなくて寝付けなかった。

 一時間くらいで静かになったが、想像力が逞しいばかりに脳が活性化してしまい、なかなか眠れない。


 おかげで寝不足である。


 思い込みからネガティブになることがよくある。

 強迫観念、というやつだ。


 自分で自分を追い込むなんてドMのすることなんだけど、何故か止められない。

 創作も誰にも強制されていないのに、「やらなくちゃ」と焦ってしまうことがある。


 なぜ焦るのかは判っている。


 価値のある時間の過ごし方をしたいからだ。

 お金を稼ぐことも大事だが、今は創作に集中したい。イチから想像した物語を形にしていくのが楽しいし、達成感も味わえる。

 楽しんでやっているはずが、いつの間にか「しなければならない」ことになってしまっているときがある。


 自由に表現することが目的なのに、文章を書くことが目的になってしまっているからうまく書けなかったりすると、イライラするんだよなあ……。


 誰にも課されていないタスクはやりがいがあるけど、気をつけないと自分で自分の首を締めることにもなりかねない。


 なんでも程々に、である。

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