ペンネームで書くことの意味

 試行錯誤しながら文章を書き続けている。


 ペンネームで作品を発表しているので、羞恥心は覚えない。手っ取り早く別人になれるとでも言えばいいだろうか。

『書く』ことで、実生活と少し距離を置けるのだ。


 大事な息抜きである。


 愚痴は相手にも負担をかけるし、逆に自分が聞き手になるのも嫌だなあと思ってしまう。

 ツイッターなどのSNSで愚痴を発信すればその瞬間はスッキリするだろうが、刹那的に書いてしまうと後悔するような気がするのだ。


 根が小心者なので悪者にもなりきれない。


 小説という形式は事実をフィクションと言う名のオブラートに包むことができる。【すべて作り物】という建前が使えるのだ。


 風刺と言ってもいい。


 受け手による考察の余地があれば、ダイレクトに主張を発信するダメージは軽減されるんじゃないかと逃げに逃げまくっている。

 二重三重に覆っても、本名で自身の想いを書く勇気はない。

 ペンネームを名乗ることで自分だけど自分じゃない人格に、心のモヤモヤを肩代わりしてもらえるのである。


 そのおかげでエロエロな小説を書くこともできるし、厨二病満載な文章を何十万字も垂れ流すことができる。


 創作している時に家や職場での役割を一時忘れることができるのは、ペンネームで別人格を作っているからなのかも知れない。

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