“すごい創作術”を駆使したら、新人賞は取れるのか!?

すごい創作術ラジオ/KADOKAWA 単行本・ノベライズ総合

第0話 前口上

 みなさま進捗どうですか?

 私は芳しくありません。


 はい、お疲れ様です。カクヨムさんでは公式レビュワーをやらせていただいたりもしております、髙橋剛と申しますが……ここではあえて、コミッションサイトさんなどで使っております電気石八生――ちなみにこのペンネーム、誕生石+生まれた日の組み合わせです――の名前を押し出して参りたく思います。

 普段のお仕事とはまた違う、創作側からのアプローチになりますしね。髙橋を知ってくださっている方も、ここでは電気石として親しんでいただけましたら。


 さてさて。本題へ入る前に、本企画の主旨を説明させていただきますね。

 まず前置き。


 わたくしは現在、編集者の岡田勘一くん(『異世界居酒屋「のぶ」』(宝島社)を始め、人気作を多数世へ送り出している敏腕編集者さんです)といっしょに「創作指南書を100冊読んで、その中からすごい創作術を抽出しよう」という試練に挑んでいるのです。そう、必死で読んで、メモを取りまくって、まとめるという果てなき試練へです。


 始めてみると、これがまあ辛いこと辛いこと! それはそうですよね。頭がよくて才能に溢れた超人のみなさんが言葉を尽くして綴られた論を、凡にして俗な私が読み解いて噛み砕こうっていうんですから……。


 さておき。「創作術の抽出」を書籍という形にして世へ送り出すことが最終目標なわけですが、せっかくだからいろいろ別の形にもしてみよう! そういうことになったのですよ。

 普通、思いつきというものはなんとなーく忘れ去っていくものですけども。残念ながら我々、それをタネにする稼業なのですよねぇ。

 せっかくこんなにおもしろい(つらい)ことにかかってるんだから、それだけで終わらせたらもったいねぇって話ですものね。


 というわけで、YouTubeでやらせていただいております【すごい創作術ラジオ】の第3回にて挙げさせていただきました私の持ちネタを、実際に作品として仕上げていくのです。

  https://youtu.be/RBbkP5TIko0


 もちろん、それだけじゃありません。これまでの作業で抽出いたしましたすごい創作術の流れをなぞりつつ、どのような順序で作品を構成し、どこへどんな意図を込めたのかを全部公開しながらです。

 さらには岡田くんによる編集サイドからの視点・意見と(文中に差し込まれる【編集者岡田の一言メモ】がそれです)、髙橋としてのわたくしの“賞の選考に関わる下読みの経験”等も加えることで、すごい作品を生み出してみようじゃないかと。


 創作術という“型”の使い方を知ることで、「おもしろい作品の制作法(テンプレート)」を学ぶ。

 さらに公募を受け取る側の思惑を知ることで、「賞で勝ち上がることのできる構成法」を学ぶ。

 この二段構えの学びで、みなさまは「勝てる」応募者さんとなっていただけるわけですね!


 ……はっきり申しましてプレッシャー半端ねぇです!

 胃が痛ぇ!


 創作者としての実績は皆無な私です。持っている武器はPBW――プレイ・バイ・ウェブの略。ウェブ上で遊ぶ有償のTRPG的なものだと思っていただけましたら――業界とコミッションサイトさんで総計750本ほどのノベル商品を納品させていただいている経験のみ。

 しかし。だからこそ挑戦の意味と意義があろうよということで、己を尽くして参る所存でするよ。

 ですのでどうぞ、生暖かい目でお付き合いいただけましたら。


 作品にするアイデアは、「江戸×ホスト」!

 江戸時代の水茶屋を舞台に、力士崩れの色男が、「男を売る」ホストとして成り上がっていくストーリー! ……になるはず!


 つい長くなってしまいましたが、次からついに本編がスタート。

 創作のとっかかり部分で必要な発想術をメインにお届けいたしますー。



【編集者岡田の一言メモ】

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 はじめまして。小説の編集をしている岡田勘一です。YouTubeで「すごい創作術ラジオ」というチャンネルを始めました。チャンネルでは、創作術のあれこれを高橋剛さんと一緒に解説しているのですが、この連載では、実践的な創作の過程をあますことなくお見せしていきたいと考えています。

 

 髙橋剛a.k.a電気石八生さんが目指すのは、「時代小説」の分野。「江戸×ホスト」というアイデアをどう膨らませ、どうストーリーを作っていくのか、これから楽しみです。


 僕は編集者として、電気石さんが出しているアイデアやプロットに意見を入れていく役目となります。

 これは、作家と編集者がどのように物語を作っていくのか、というドキュメンタリーでもあるのです。

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