神々の「お遊び」は危険です
Zホホ
第1話 準備は万端でも大丈夫かは分からない
私の名は#########。
Hun○erxHunter、メ○ドインアビス、漫画版の群青の○グメルが好きな短大生だ。
好きと言っても自分用、布教用、保存用の3冊買ったりなんかして還元する勢じゃなくて、家の山を駆け巡ってパルクールしてロッククライミングして中国拳法動画見たりするぐらいの「あんな動きや駆け引きしてみてぇぇぇ!」勢だけどね。
そんな私だが、転生という神々の(強制的な)「お遊び」に当選してしまったらしい。
……うん。何言ってんだコイツ?って思うかもだけど事実なんだ。
気付いたら白い部屋で黒い塊に話しかけられた私は本能的に、生命体としての次元が違い過ぎるわって理解しちゃってんだよね。
ドッキリや夢だとは頭の片隅にすら出なかった。
強大な存在を信仰し絶対視する狂信者の気持ちも良く分かるよ。
『じゃ、このガチャガチャを一回してね。中身は完全ランダム。出たのを転生先に持っていけるよ!』
逆らう逆らわないとかじゃなくて逆らうという思考に行き着けない。自分すら知らない全てを暴かれている。そんな気さえしていた私は、大人しくガチャガチャを回し終えると、流れ作業のように生まれて直ぐ死んだ赤ん坊の器に落とされた。転生待ちの人達がまだまだ居たらしい。
「オギャ!オギャ!!」
「はいはい、ママのおぱっいだよ〜」
おっぱいをチロチロ飲みながら考える。
この世界が神々の「お遊び」の為の舞台ならば、起承転結の物語のような世界なのだろう。
まぁ、もしかしたら人間の何げない一生を観察するのが流行っている可能性も無きにしも非ずだが…………、確率はかなり低い。転生特典もアレだったし。
殺し合いだとかハラハラドキドキの展開だとかは見てる分には楽しい。しかし自分が参戦するのは違うと思うんだ。
でも運の良い事に日本の有る程度裕福な夫婦の元に生まれる事ができたので、起承転結の「起」の部分が始まる前に何か準備をしておきたい。
武器と部下と金と拠点、欲を言えば軍隊が欲しいな。前世で19年程度しか生きていなかった人間が準備できるレベルなんて高が知れると思うが。
あぁ、どうか私はNOデス、YESハッピーエンドな世界に生まれていますように……………
◆ ◆ ◆
前世と殆ど変わらない世界に転生してからはや16年。
予想していた災事は何も起きなかった。
何も起きなさ過ぎて逆に心配に成る程。
災事が起きないことはとても良いことではあるのだが、何か起きると確信している身からすると、この超常が認識されていない世界での平穏な時間は不安過ぎる。
平穏が、良くないことが身近に起こる準備段階なのは間違いない。
そして私は16才つまりは高校生である。
高校生なんて、色々な物語において主人公達の肩書きによく見る定番の職業ではないだろうか?
しかも私の通う高校には、私を含めあからさまに高校生離れした人間が多過ぎる。変な噂も聞くし……
少なくとも高校に通う3年間は、常に気を張り詰めておかねばならないだろう。
憂鬱だ。
そんな高校すぐ転校すれば良いと思うだろうが、私はまだ死にたくないのだ。もっと美味しい物を食べてゲームして漫画読んでアニメ見てゴロゴロしたい。
もし此処で逃げて止められる筈の世界滅亡なんて超展開になってどうも出来ませんでした〜は、流石に間抜けにも程があるだろう。
私の知らない所で勝手に始まって何事もなく勝手に終わってくれるのが1番なんだけどね。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます