第31話 図鑑①

ドラゴンビィ


顔がドラゴンに似た蜂。


小さな体の癖に獰猛で小型の鳥すら捕食する。


熊や人が襲ってきてもひるまない。


この世界に生息するハチ類の中で最も強力な毒を持ち、かつ攻撃性も高い非常に危険な蜂である。


この蜂が持っている毒の半分で小型の哺乳類なら絶命する。


毒針のほか、強力な大顎で相手を噛むことで捕食対象を攻撃する。


時速約60kmで飛翔し、狩りをする時は1日につき約200kmもの距離を移動できる。


天敵はバグベアー等、針を通さない強靭な皮膚を持つ者。


セイルが一番好きな虫で、セイルは良く騎士に例え妄想している。




イエロースパイダー


成体の体長は雌で35〜70mmなのに対して、雄は小さく雌の半分以下である。


形はほぼ同じで、腹部は幅の狭い楕円形で歩脚は細長い。


成熟した雌の腹部には幅広い黄色と黒の縞模様がある事が名前の由縁。


造網性のクモで、垂直円網を張るが、その構造は特殊で、通常のそれより複雑になっている。


また意外な事に巣を持つ蜘蛛の割には動きが素早い。


視覚はあまりよくないため、巣にかかった昆虫などの獲物は、主に糸を伝わる振動で察知する。


獲物は毒などで動けないよう処置をされたあと、糸で巻かれて巣の中央に持っていかれ吊り下げられ、数日間かけて随時捕食される。


獲物はドラゴンビィや小鳥迄その獲物は多岐に渡る。



グリーンアント


成体の体長は35〜100mm (100㎜は女王アリ)


体はおおむね円筒形で細長く、頭部、胸部、腹部のそれぞれの間がくびれ、大きく動かす事ができる。


体色はその名の通りグリーンの綺麗な色をしている。


頭部には大顎が発達し、餌をくわえたり外敵に噛みついたりできる。


一番の特色はその力、自重の35倍もの大きさの物をくわえ巣まで運ぶ事が出来る。




ギルダーカマキリ


成体の体長は雌で150mm 雄は小型で80㎜。


緑色の姿は葉の間に良く擬態している事が多い。


昆虫界の暗殺者ともいえ、擬態した状態からの奇襲攻撃を得意としている。


その獲物にはドラゴンビィも含まれる。


但し、奇襲特化型であり、強い甲殻を持たない為奇襲に失敗すると逆に捕食されてしまう。


特徴は他のカマキリと同じ様に手が鎌のようになっている。


性格は獰猛で人間が手でつかむと鎌の様な腕で攻撃してきて噛みついてくる。


それを見た大昔の人は「蟷螂の斧」と虚しい事の例えとされているが、セイルは「カマキリから見た人間はドラゴン以上に大きく見える」だろうと考え、その姿を強大な敵に立ち向かう暗殺者のようでカッコ良いと思っていた。


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