第6話 ヤる気スイッチの入れ方

 集合場所である時計台でポケットに手を突っ込みスマホで水原高校のホームページを開き、黒瀬が写っている写真を見つけ見ながら。


 身体えっろ、早く抱きてえ。

 吸いてえなあ、挿れてえなあ。

 生でしてえなあ。


 などと考えていると。


「お待たせ」と弥美がやってきた。


 俺はスマホをポケットにしまう。


 弥美の服装は瑠璃色のロングワンピースに純白色のベレー帽を被っており、見た目の美しさがより引き立てられていた。


 か、かわいい。

 早くシてえ。


「おう、全然待ってない。それでどこ行くかとか決まってるか?」

「うん、最近できたスイーツ屋さんに行きたい! タカキは何かある?」

「俺か……そうだなあ」


 まあ、いきなりヤろうはあれだよな。

 どうせなら向こうのスイッチを入れた後だな。


「観たい映画がある」

「ほおほお」


 かなりエロい濡れ場がある映画があると友達から前に聞いた。

 それも映画の半分は濡れ場らしいにも関わらずR15だとか。

 下手にAVに手を出すよりもいいぞ、と言われた。


「『ラブ・サマーバケーション』っつーやつなんだけどさ。いいか?」

「恋愛系〜?」

「そうだな」

「へえ、タカキが恋愛系の映画誘うんだ」

「うるせえ」


 早くヤりてえ。

 乳を吸いてえなあ。

 いつか桜木と黒瀬と弥美の3Pシてみてえなあ。

 多分気持ち良すぎて天国行きそうだわ。


 そんなことを考えながら俺は。


「じゃあ、とりあえずは映画館でいいか?」

「うん!」


 弥美に手を伸ばし、恋人繋ぎで映画館を目指した。




 映画の内容は眠くなるほどつまらなかったラブストーリーだったが友達の言う通り濡れ場がたくさんあって最高だった。


 カアーっと頬から耳まで真っ赤に染めている弥美。

 弥美はそういうのに少し弱い、未だに俺の前で脱ぐのでさえ恥ずかしがり、俺の裸をさらに恥ずかしがるようなやつだ。


「思った以上にエロかったな」

「う、うん……」


 今は弥美が行きたいと言っていたスイーツ屋へと恋人繋ぎで向かっている途中である。


 女優はブスだったけどそれでも身体がエロかったなあ。

 

 ついつい男優そこ代われと言いそうになったのを殺したほどにである。


「なんかごめんよ」

「ううん、全然いいよ! ほ、ほらストーリードキドキしたし!」


 実際のところただのひねりもない高校生活で男女二人の思春期っぷりを描いたクソみてえな映画だった。

 一時間半と少し短いのが救いだった。

 エロくなかったら誰も観に行かねえと思うが濡れ場がすごいというのを口コミで聞いたのか映画館の大半が埋まっておりほぼ全員男だった。


「はは、無理すんなよ。もう少しで着くな」


 すると、弥美は足を止める。


 ん? と俺も足を止めて弥美を見る。


 はあはあ、と息が荒い弥美。

 頬も耳も真っ赤という言葉では表せられないほどに赤く染まっている。

 

 くく、完全にムラムラしてるなこれ。


「おい、どうしたんだよ」と俺は両手で弥美の二の腕を揉む。

「……や、やっぱり……スイーツ屋さんより……」

「うんうん」


 その後のことは知っている。

 

 さあ、早く言え。

 俺も早くシてえんだから、今日なら三回戦はよなーだな。


「ごめん、恥ずかしい……」

「大丈夫だ、ほら。教えな」


 こういう焦らしプレイはガチでいらない、別に恥ずかしくねえのに。

 人間の本能だろこんなのよ。


「う、うん……」


 ぷるぷると震えながら、泣き目でメス顔の弥美は上目遣いで俺に言う。

 

「やっぱり、エッチしたい……」


 はい、きたあああ!


 俺はニヤリと微笑み言った。

 

「ああ、いいぜ」








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