第5話 大量経験値といえばやっぱりアイツだよね。
転職する職業を決めてユウキは朝から早速村を出て目的地に向かっていた。王都から船が戻ってくるまで1カ月しかない。ユウキは1日も無駄にするつもりはなかった。
「ここだな。」
ユウキの目の前には大きな山がそびえ立っていた。
「ゲームでは山は移動できないから通れなかったけど、今だったら山を登れば向こう側に行けるはずだ。後は道中のモンスターがどのレベルのモンスターかだな。スライムとかゴブリンならファイヤーの魔法で倒せるからいいけど、終盤に出てくるドラゴンとかが出るなら無理だしな。そうなったら魔法の指輪で回復しながらひたすら雑魚狩りするしかないな。」
ゲームの世界では湖や山は基本的に通れない。湖は船がないと通れないし、山は空を飛ぶ気球やドラゴンに乗ったりしないと通れないかった。ただ、現実に直面してみると湖は泳げば通る事ができるし、山も歩いて越えれば向こう側にいけるのだ。つまり湖の真ん中にポツンとある洞窟や、山に囲まれ序盤に行けない所でも、いく事ができるという事だ。ユウキはゲーム世界の知識を活かして裏技的な要素を取り入れて高速レベリングを考えていた。ちなみに今上っている山を越えるとスライム系のモンスターしか出ない通称スライム王国に行くことができる。
スライム、ヒールスライム、毒スライム、麻痺スライム、キングスライム、メタリックスライム、ゴールデンスライムなどあらゆるスライムが出てくるのだ。そう経験値がバカみたいに高い固くてすばやいスライムも出るのだ。ユウキはそれを倒して高速レベリングをしようと考えていた。もちろん倒し方も攻略済みである。
「山を越えるまでにある程度はレベル上げしておかないとな。キングスライムとか今の俺だったら即死だしな。慎重に進んでいったらモンスターに遭遇せずに動く事もできそうだしメタリックだけを狙う事もできる気はするけど・・・」
山に入るまでにユウキは草原でスライムやゴブリン、ネズミやミミズのモンスターと戦いレベルを2つ上げていた。戦いといっても見付けたらファイヤーの魔法を使ってモンスターを倒していただけだが・・・・歩くだけでMPが1ずつ回復する今のユウキは無限に魔法を使う事ができたのでモンスター狩りもはかどっていた。
「MPが自動で回復すると戦闘が楽だな。戦う。とか魔法。とか選択しないでいいから戦闘も早いし。」
山をどんどん進むユウキはレベルも順調に上がって行った。
「よしよし、レベルが5になったぞ。これでアイスの魔法も使えるようになったな。しかもこの辺りのモンスターは俺でも対処できるモンスターばかりだ。運も味方してるって感じだな。」
5時間程山を進むと山を越える事ができた。
「やったぞ、スライム王国に入れた。ここからが問題だな。よしやるぞ。」
さっそくユウキは用意していた縄梯子を使って魔物が登れない木の上に上った。
「よし登れたぞ。後はここからメタリックが来るのをひたすら待って、聖なる泉を投げつければ・・・・」
ユウキの作戦とは木の上に登って、下にメタリックが現れたら聖なる泉を投げつけて大量経験値を得ようとすることだった。
ゲーム知識でユウキはメタリックスライムに聖水を使うとダメージを受けて一撃で倒せる事を知っていた。魔法は効かない。攻撃しても1しかダメージを与える事ができないメタリックスライムだが、聖水で倒す事ができるのだ。
そしてユウキは聖水でダメージを与えれるなら聖なる泉の水でもダメージを与えれるのでは?と考えたのだ。
動き回ってメタリックスライムを探す方が効率的ではあるが、今のユウキのレベルは5、能力値の平均は20である。スライムや毒スライムなんかは対処できるが、キングスライムやスライムライダーなどの強いスライムが出てくるとユウキじゃ勝てない。だからモンスターに見つからない木の上に身を潜めて機会を伺う事にした。
食事をしながら気長にお目当てのモンスターが現れるのを待っていると、真下にメタリックスライムが現れた。
「メタちゃんキター!!!」
ユウキはアイテムボックスから聖なる泉の水を取り出して、メタリックスライムにばれない様にこの上からメタリックスライム目掛けて聖なる泉の水を落とした。聖なる泉の水はメタリックスライムに気づかれる事なく、メタリックスライムに命中した。
すると・・・聖なる泉の水を浴びたメタリックスライムは一瞬で死んで行った。
「よし!作戦通りだ!!」
ユウキはガッツポーズした。そしてすぐにステータスを確認した。
「どれどれ~。!!!!レベルが12になっていた。やったぞこれで高速レベリングができるな。」
ユウキはその後、メタリックスライムを見つける度に聖なる泉の水を落としてメタリックスライムだけを倒して行った。
「さすが、通称スライム王国。メタちゃんがどんどん現れるぞ。おっ又きた。よしよし俺の経験値になってくれよ~。」
ユウキは時間も忘れてレベリングに励んでいた。日が沈んできたのがわかると
「もうこんな時間か。そろそろ戻らないとな。多分テレポート覚えてると思うけど、ステータスはどんな感じだろ・・・!!!レベル25だ。能力値も平均60ぐらいになってるぞ。よしよし今日はこのぐらいで終わるか。」
メタちゃんとの高速レベリングを終えたユウキはテレポートを使い最果ての村へと戻って行った。
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