第2話 勇者から早く離れないと俺が死ぬ・・・
カツヤとアイが出ていったのでユウキは情報を一度整理する事にした。
(え~と、まず俺は多分前世で過労で死んだんだよね。で、ゲームの世界に転生した。そのゲームがドラゴンファンタジーの世界で、勇者じゃなくて魔王に殺されるユウキに転生した。と・・・・何度考えてもありえないけど現実で起きてるんだし受け入れるしかないか。)
ユウキは自分が転生した事を受け入れ、これからどうするか考えた。
(よし、もう転生しちゃったんだし済んだ事は考えないようにしよう。それよりもこれからどうするかだ。明日になったら王女様が船でこの村に来るはずだ。通常ルートなら俺とカツヤとアイが船に乗って王都に行くんだけど、正直勇者についていったら俺って死んじゃうから、カツヤとアイだけ船に乗って行ってくれるのがベストなんだよな~。なんか良い案ないかな・・・)
カツヤと一緒にゲーム通りのストーリーを進んでしまうと死んでしまうのでユウキはうまく船に乗らない方法を考えていた。
(良い案がうかばない・・・。必要なのは勇者のカツヤだけだし、村が心配だから俺は行かない。お前が勇者なんだから魔王の討伐にお前にまかせたから村は俺にまかせておけ!ってごり押しするしかないか。早めにカツヤから離れておかないとあいつも苦労するだろうからな。はじめっから俺がいなかったら別の魔法使いをパーティに入れるだろうからうまくストーリーを進めてくれるはずだ。よしそうしよう。)
カツヤと別れる案が浮かんだユウキは次にこれからどうするかを考えた。
(後はこれからどうするかだよな~。村で一生過ごすのはつまらないから、俺は俺でストーリーを進めるのがやっぱりおもしろいよな。せっかく転生したんだから。ドラゴンファンタジーはけっこうやり込んだから、カツヤ以上に努力したらカツヤが魔王と戦う時に勇者以上に強くなる事もできるかもしれないしな。離れてたけどいつの間にかカツヤとパーティ組んで魔王討伐する可能性もあるから俺自身強くなる必要はある。その辺を直近の目標にするか)
ドラゴンファンタジーのゲームをけっこうやりこんだユウキは努力次第で勇者以上の力を付ける事が可能だという事を知っていた。
ドラゴンファンタジーのゲームは昔流行ったロールプレイングゲームを真似て作られてゲームで勇者カツヤは僧侶アイと魔法使いユウキとともに村や街、城でイベントをこなして、最後に魔王を倒してエンドというゲームである。
ドラゴンファンタジーでは『転職制度』があり、勇者以外のメンバーは転職を繰り返して強くなっていく。勇者はすでに最上級職業なので転職の必要がない。いわゆるチートである。
勇者はレベルがカンストすると能力は平均800程になる。ここに勇者専用装備が加われば平均900~1,000ぐらいになる。
僧侶や魔法使いなどの基本職業はレベルがカンストしても能力は平均200ぐらいにしかならない。
そこで転職制度を使って能力を上げていくことになる。
転職はレベルが20を越えると神殿でする事ができる。転職すると能力が半分になるが、上級職へ転職するとカンストした時の能力は平均400程になる。更に最上級職業に転職すると能力値は平均で600程だ。
ユウキの場合は魔法使いレベル20で、大魔法使いに転職し、その後大魔導士に転職するのが通常のゲームの流れだ。
能力は魔法使いレベル20で平均40、転職して平均20になるが、大魔法使いがレベル20になると平均100程になる。その後転職して平均50の能力になるが、大魔導士に転職するとレベルカンストで平均650になる。それでも勇者には届かない。とんだチート野郎である。
更に勇者は転職の必要がないからレベルは常に上昇していく。勇者以外のメンバーがどれほどレベル上げをしなければいけないかわかるだろう。ただし、レベル20で転職せずにレベルを上げてから転職を繰り返せば勇者以上の能力を得る事ができる。
つまりゲームでゆう、やり込み要素だ。
何時間もレベリングしてやり込める猛者は正直なかなかいないだろう。なぜならそうそうに勇者のレベルがカンストしてしまうからだ。主人公がカンストしてわき役をレベリングしていくのはけっこう退屈である。なんせ、転職を繰り返しても基本勇者の方が強いのだから・・・
ユウキもやり込んだが、勇者と同じぐらいの能力にするのが限界だった。
(転職をうまく使えば勇者よりも強くなれる。強くなれば、アイを勇者に取られないかもしれない。魔王に殺されないかもしれない。そもそも俺もハーレムを築けるかもしれない。ここはゲームの世界だが、ゲームのように行動はできない。さすがに他人の家に入って勝手にツボ割ったりタンス開けたりしたらヤバいだろ・・・逆にゲームでできない事が現実ではできる可能性もある。ゲーム知識をうまく使えば効率よく強くなれるはずだ。その為にもまずは明日、カツヤとアイだけで王都に行ってもらわないとな。)
「よし。決めた。俺が主人公になる。カツヤ。お前にアイは渡さないぞ。更に王女も他のヒロインも俺がもらうぜ。」
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます