第2話 転生直後

「ふむ、知らない天井だ。」

しかし、俺は至って冷静である。こんな事もあろうかと想定していたパターンでは、まず、病院の天井ではなく中世ヨーロッパのような修飾。

「異世界転生確定演出きたァァー」(錯乱)

失礼、俺は至って冷静である。いや、冷静であった。

「リストデル様、朝食をお持ちしました。」

と怯えながら言うメイドの声が聞こえるまでは。

「エ?」

日頃異世界転生を妄想していた猛者といえど、対応は不可能。

なぜ、浅い設定のテキトウキャラに転生するんだよ。

普通、悪役転生ものは悪役に悪いフラグがあって、それを乗り越えるものだろうが!

乗り越えた先に、明るい未来へのフラグが立つもんだろうが!


おっと、メイドを待たせているんだった。

「入ってくれ」

メイドから朝食を受け取りながら

「明日以降は自分で取りに行くから」

と伝えると嬉しそうな顔をされた。悲しい。

「失礼しました。」

ととても弾んだ声で言われた。


さて、冷静になって考えよう。

まず、浅い設定ということは即ち自由。

むしろ、悪いフラグなど無くてよっかたと安堵すべきだろう。

フラグなど要らない!(フラグ)

次に、ステータスだ。エクストリーム・ファンタジアでは、「ステータス」と唱えることで、ステータス画面が表示される。

では、皆様一緒に

「ステータス!」

・・・・まさかそんな事はないよね。もう一度一緒に

「ステータス!」

・・・・リストデルはテキトウキャラである。

誰が初期ステータスを考えるだろうか?

エクストリーム・ファンタジアはレベルアップで強くなる世界だ。

ステータスが無いということはレベルアップが反映されない。

「詰んだぁぁぁぁぁー」


_______________


ここまで読んで下さり、ありがとうございます。









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