この教室には、美少女の皮をかぶったおじさんしかいません。〜読者参加型小説!推しの美少女おじさんを応援して、出番を増やそう!〜
阿礼 泣素
第1限目「おじさんたち、美少女になります!」
つい先日、ほんの数日前のことだ。なんだかよく分からない会社がとんでもない薬を発明した。その名も
気になるお値段は……なんと2億円。そんなの一般市民が手に入れられる代物ではない。当然この俺だって手に入れることは出来ない。
だが、1つだけ、方法があった……それは……
――1番可愛いおじさんになること。
まったく、何を言っているのか分からない、だって?
俺だって分からない。だけど、それが条件なんだ。
ってことで、俺たちは仮想空間で最高に可愛い美少女になることを目指した!!
※
「いやいや、んなこと言ってるけどよー、お前は物珍しさで、野次馬根性で、物見遊山のつもりで、このゲームに参加したってことだろうがよ! ったく、今すぐこのゲームから降りろよ!」
赤髪が怒髪天を突く勢いだ。語気強く捲し立ててきているのは、
――それもそのはず、彼女も俺と同じ、中身はおじさんの美少女だからだ。
「そんなやいのやいの言ったって、決めるのは視聴者なんだから。私たちは媚び
「蒼鴫さんの言う通りだよ。怒っていたって意味がない。そう、俺はただ、このゲームで優勝して、この薬を転売することが目的なんだ。まっとうな理由だと思わないか」
「そう言うところが気に入らねーって言ってんだよ! つか、転売ヤーは滅びろ」
このクラス、いや、この仮想空間には13人の参加者がいる。この中で1番可愛いと評価された者だけが、2億円の女体化薬を手に入れることができるのだ。
「ほんとその通りですわよ! 転売ヤーは滅びろですわーーー!!!」
「うっせーんだよヴォケが! いちいち
――三十二歳だぞお!
恥ずかしげもなく年齢マウントを取っていた。ズボラでガサツ、こちらも先ほどの金城と対照的なキャラクターである。藍我は紺色にくすんだその無造作な髪の毛を逆立てて、金城を鋭く睨む。
「年齢でしかマウントが取れない愚かな人種……なんて悲しいのでしょうか」
蒼鴫が静かに嘆く。
「おい! あむるゥ! 表出ろや!」
レミドも黙ってはいなかった。
「いいぞーやれやれー」
野次馬の骸期は無感情に言った。
「一話から喧嘩するだけの物語がどこにあるっスか!」
――普通、自己紹介からでしょ!
オレンジ髪の溌剌っ
「ま、そんな感じの物語ってことで……」
――よろしく。
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