第4話

教室に入ると、多くの生徒が僕達を出迎えてくれた。


「入学おめでとう」「見てたよ!!」


黒板には映像が映し出されていて、みんなが僕達の戦いを見ていたらしい。


「みんな、ありがとう」


セレーナは女子達と会話をして、アンジェロと僕は、陽気な4人組の男子のグループに向かった。


「はじめまして。僕はカイリです。よろしくお願いします」


「俺はアンジェロ。よろしくお願いします」


「じゃあ俺から自己紹介行くわ!!俺は、アルベルト。格闘技のチャンピオンだ。カイリ、俺のパンチを受けてみるか?」


「いや……良いです」


「遠慮せずに。殴る瞬間、絶対にお腹に力を入れろよ。じゃないと吹っ飛ぶぞ!!」


アルベルトの覇気に負け、渋々受け止めることにした。僕は目を瞑り力をお腹に入れた。


「行くぞ!!」


ドン!!


お腹に当たる鈍い音。あまりにも強すぎるパンチで僕は倒れ込んでしまった。


「強すぎる……」


「しかも兄貴には能力が存在するんだよ」


他の3人は彼のことを兄貴と呼んでいた。


「何の能力?」


アンジェロが少し怯えながらも聞いた。僕は殴られた痛みでしばらく立てなくなっていた。


「俺の能力を使えば、相手の能力を無効化する事が出来る!!」


「無効化!?」


「天性の能力だよ!!次の大会で絶対にトップクラスを目指してみせる……」


「他の3人は?」


「僕達は名乗るまでもないよ……。カイリは才能があるから、どうせ次の大会でこのクラスを抜け出すだろ?僕達と友達になってもすぐに別れるだけだから」


「次の大会っていつあるの?」


「明後日から始まる。明日がその抽選会なんだ」


やっと立ち上がる事が出来た。明後日から大会が始まるのか……。


パン!!


教室中に響き渡る銃音。あまりにも突然すぎて何が起きたのか分からなかった。1人の女が銃を上に向けていた。


「明後日の大会で勝つのはこの私だ。お前らは一生最下位から抜け出せない!!」


「おい、待てよ!!お前、調子乗るなよ!!」


アルベルトがその女に向かって歩きはじめた。怒りに満ちた顔をしていた。


ドン!!


アルベルトがその女を殴った。女は壁まで吹き飛んだ。


「僕の彼女に手を出すなよ!」


その間に入ってきた男が、アルベルトに向かって剣を両手に持って構えた。


「お前、誰だよ!!」


「僕はフランコ。ルナに手を出すなよ!!僕の大切な恋人なんだから」


ルナは立ち上がり、フランコの元に抱きついた。


「ねえ、アイツ、許せない」


「ルナ、俺がアイツを倒すから……」


ガラガラ


「お前ら、何やってるんだ!!」


教室に1人の男の人が入ってきた。その男を見るとみんなが急いで自分の椅子に座り始めた。


「明後日、個人戦があるんだから。そこで戦いなさい。今、ここで戦っても意味は無いぞ」


彼は教師なのかな……。先生が教室を出ると、みんなが一斉に教室を出始めた。


「アルベルト、授業とか無いの?」


「俺達、最下位のクラスに授業なんかしてくれないんだよ」


「そうなんだ……」


自分も寮へ向かった。自分の部屋は思ったよりも広かった。









一方、トップクラスの教室。


「ディア様、大量の手紙が来てます」


「全部、燃やせ!!どうせ私たちへの宣戦布告だろ?」


「はい。分かりました」


「私達に勝てるはずが無いだろ。私達は7色のチート能力の1つを持っているのだから」

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