白羽絵高校七不思議

@sodecaxtuku

第壱話 何言ってんだコイツ

「なぁ、七不思議って知ってるか?」


「知らん」


「なんか冷たくない?」


唐突に俺の所へやってきて質問をしてきたから返事を返したのに酷いことを言うな。

しかし、それ以上に気になった事があったので聞いてみることにした。


「冷たい反応だったのはすまんかった、しかしなんだ?七不思議?それは一体どういう?」


「おっ、気になる?気になっちゃう?」


「とりあえず話せって」


いつもは良いやつなんだが面白そうな事があるとこうなる健一けんいちの癖には少し疲れる、そう考えていると健一がふぅと息を整え話し始めた。


「七不思議ってのはこの白羽絵しらはえ高校に伝わる怪談話の事で、実際にその七不思議を確かめようとして消えた人もいるって話」


何言ってんだコイツ。

そんなのあり得ないだろと否定しようとした直前。


泉水せんすい真美まみ


「えっ」


泉水 真美、それは去年失踪した当時18歳の先輩の名前だった。

突然だったが少し動揺しながらも口を開いた。


「お前、それは洒落になんないぞ。あの人は失踪して今も見つかっていない、そこに七不思議が関係しているなんて言ってるのがバレたら怒られるぞ」


「まぁ、俺も最初は唯面白い話が聞けたから教えてやろうと思ってただけなんだがな、昨日面白い物を見つけてな」


そう言うと健一はバックの中から一冊のノートを取り出して俺に見せてきた。


「これ、ノートだよな?」


「そう、ノートだよ」


「このノートがなんだって言うんだよ」


「ちゃんとノートの表紙見た?」


「見てないけど、それがどう」


思わず口が閉じた、何故ならノートの表紙には『白羽絵高校七不思議』といういかにもなタイトルと、泉水 真美と書かれていたのだから。


「これさ、昨日先生に言われて体育倉庫掃除してた時に見つけたんだけどさ。俺っちの勘によるとこれって事件に関係するよね」


そう言うと健一は立ち上がり。


「夏休み、七不思議について調べようぜ!」


そう言う彼と、何かが重なるように聞こえた。

これは多分だけど、俺は七不思議と関わる運命だったんだ。















  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る