おくつぺろぺろ
負け犬アベンジャー
プロローグ
人の姿をして言葉の通じる奴らは、しかし人の姿をしているだけで言葉の通じない化け物だった。
辛うじて聞き取れた言葉の断片から、女神の力添えにより、こことは違う異世界から転生だか召喚だかでやってきて、それでいて特に目的の何もないらしかった。
奴らが何者かなんてことはどうでもいい。
問題は奴らがチートと呼ぶ異形の力を振るうこと、そしてその力に我々は叶わないということだ。
……奴らが現れて数年、半分の国が滅んだ。
正規軍、同盟軍、義勇軍、あらゆる抵抗勢力は根絶やしにされた。
国を持たないような少数民族は不快だからと虐殺された。
和平交渉に向かった識者、貴族、宗教家は軒並み粛清された。
…………争う術など、なかった。
残る国々は、敵わぬとわかるや、生き残るため、諸手を上げて降伏した。
こうして世界は地獄に、奴らには楽園となった。
最早我々には、奴らに媚びへつらい、靴を舐めて、助命を乞うことでしか、生き残る方法は残されてなかった。
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