愛何
御愛
愛だけ
愛って、何だろうかって、ひたすら考えていると、頭の中がぐるんとなって、視界が回って、天地上下が逆さになって、ぐるぐる回って、元に戻って、結局行き詰まる。
ぐるぐるぐるぐるぐる。
回る、回る。回る、回る。
僕は愛だけが欲しい。でもその愛が分からない。
愛、愛ってなんだ?愛してる?私も!
僕は先輩が好きです!心の底から!大好きです!
僕は先輩が男でも、大好きです!キスもしたいです!
どうでしょう?僕と愛し合ってくれますか?
なんて、気持ち悪いって、言われてもしょうがない。
なんて、自分で諦観的に思えるわけなくて。
なんて思考も、無駄だって分かってるけど。
なんでこの頭は、どうしようもなく、愛に焦がれるんだろう。
いや、頭だけじゃない。僕の全身だ。
全身だけじゃない。もっと見えない何かも併せて。
全霊?全身全霊?僕の全て?
いや、僕だけじゃない、この世の全ての共鳴。
三千世界に渡って木霊し続けるのは、僕以外の全ても合わせた、僕だけの想いだ。
愛。愛だ。これが愛なんだ。
大きさで言えば、誰にも負けない。
中身スカスカの勢いだけのハリボテ。
……これも違った。
これも、愛なんかじゃない。
愛、愛、愛、愛、愛、愛、愛っ!愛ッ!
どいつもこいつもアイアイアイアイアイ!
盛りのついた猿かっ!クソが!死ねっ!この、どうしようもない、クソが!
僕だ。
僕が悪いんだ。
愛を求めるからいけない。
だから、満たされない。
いや、そもそも僕は愛を求めているのか?
僕の本心なんて、僕でも分からない。
そもそも、言葉なんて幼稚なもので表せるのか?
僕は満たされたいのか?
なんで、愛なんだ。僕の心は、こんなにも求めているはずなのに。
もっと別な物でも良かったんじゃないか。
なんで、愛なんだ。
愛だけだ。僕が欲しいものは。
人だ。人間だ。ヒューマンだ。ホモ・サピエンスだ。霊長目ヒト科ヒト属ヒトだ。
人との愛。男でも女でも幼女でも老人でも少年でも性同一性障害者でも何でもいい!愛だ!愛だけなんだ!僕が欲しいのは!
愛!愛!愛!
………………クソがぁぁぁぁぁぉぁぁぁぁぁああぁぁぁあああガォが甘ら若松^_^那奈ばなたは」まはわやまさやはまやさはわやざさゃはゎやざやさたかまさゃなざやざかでわ^_^なわは!!!!!!!!!!!!!!!ー!!!ーーひへほょ」めもれ」、わ、!わやま らよ」めを「へ「「らーわ
「ね」ひれやのれ「れひれやへ「」り」「」へほやめ」へりりへひはでや'てけほねてほやめのーろ
はぁ。くそ。死にたい。
愛。愛ってなんだ。
一緒に飯を食うことか?
一緒に話をすることか?
守ることか?
癒すことか?
傷つけることか?
壊すことか?
何でも愛。そりゃ愛だ。クソみたいにあやふやでアバウトな定義。愛。
だのに、僕らはそれを求め続ける。
カテゴライズされ、固定化され、可視化され、見える形でしか判断されなくなった愛。
それでも、無いよりはマシだから。
愛、愛だ。
純愛だなんて言うけれど、誰も本質の愛を理解していない。誰も純なる愛を知らない。
愛を死ぬほど叫びたい。文字通り死んでも構わない。愛さえあればいい。
狂おしいほど愛おしい、誰かの為に死ねるなら。苦しく切ない愛だって、君に叫んで良いのなら。
僕は何も要らない。
愛さえあればいい。
愛したい。愛されなくてもいい。愛したい。死ぬほどまでに、愛したい。骨の髄からその先、あるかも分からない精神の果てまで、その全てを。愛で埋めたい。愛で滅ぼしたい。愛だ!愛!!!!
この世の全てに!愛あれ!愛!!!!!
愛してる。全部愛してる。全部。
愛を叫べる君が居なくても、僕には全て愛せるから。
道端に捨てられたビニール傘でも、路上に燻る水溜りでも、月に照らされた段ボールでも、罵り尽くされたツイッターの炎上アカでも
鳥も草も木も大地も海も月も地球も太陽も銀河も僕自身も全部!
頭の中で、ベートーヴェンの第九が流れ始めた。オーケストラが意気揚々と合奏を始める。激しい音色は凪のような無色透明の外の世界に色を付けた。
決めた。これが愛だ。
奇を衒いたくなかった。本心のまま表したかった。
言葉に表すと、なんてチープで、使い古して錆びれたものなんだって、実感するけど。
それでも、僕は愛してる。愛を、愛してる。
大好きです。心の底から、君が大好きです。
笑う君が好きです。怒る君が好きです。泣く君が好きです。悩む君が好きです。燥ぐ君が好きです。
全部、大好きです。
愛してます。
このままの思い全て、愛。
もう、これで、終わり。
——————こんな思考を、毎日繰り返している。
ぐちゃぐちゃで、何らまとまりのない思考。
これ"も"愛なんじゃないかって思う。
これ"が"愛だって思えるものには、当分出会えそうもない。
少なくとも、言葉には、表せられない。
それが、愛だ。
………あ。
愛何 御愛 @9209
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