待ってました! 美しすぎてド色気(!?)放出中(⁇)な神父×いまや青春絶賛成長期な人狼ティーンエイジャー×今回は出番薄いけれど相変わらず存在感はデカすぎスーパーリッチ吸血鬼でおくる怒涛のパラノマ小説、第二段!! 今回はまさかまさかのジュブナイル学園もの!?
美麗神父・クリスのもとに身を寄せるディーンはどこにでもいそうなフツー(だけど家はトンデモねえ!!)な高校生。その正体は「なりそこない」の人狼です。だけど今日も授業内容と大格闘……いや、敗北の色つよし?
そんなディーンくんにも救いの女神は降り立つ!(笑) 飛び級をしているためディーンと同じクラスで授業を受けているメルちゃんに、お勉強をおそわることに――! 教室では地味だけど、頭が切れる彼女。クリスとメルちゃんの会話についていけなくて~というシーンのディーンくんは必見です!!(超かわいかった……)
メルちゃんは――というと、ディーンに思いを寄せるように。だけど、その思いは実らなさそう? それどころか、厄介にも派手なクラスメイトに目をつけられて……! 追い詰められていく少女の淡い恋心が生んだのは自分への不安と、そして――。
好きすぎて色々と語りたいことがあるのですが、ここでストップ。自分の低すぎる説明能力では、ネタバレになってしまう~~!!
そして、ストーリー・キャラが面白いだけが神慈悲のすごいところではないのですよ……!
著者さまのオカルトや舞台設定に関しての情熱はさることながら、登場人物の心情を見つめるまなざしのするどさといったら!
海外翻訳小説調の一人称で語られていく本作品の一番の醍醐味(だと個人的に思う)は、本当にその登場人物が実在して、その人物の眼を通して語られていく物語の「強さ」にあると思います。
設定だけ並べてみたら、ものすごい、トンデモになってしまいそうですが、とにかく最後まで読ませてしまう筆力と、リアリティ、説得力。あっさりとした語り口なのに、読んでいてキャラの息遣いまで聞こえてきそうなくらい!
どんなに設定を細かく決められていても、どんなにたくさんの知識を披露してくれても、小説なんだから面白くなきゃ、つまらない! でも神慈悲はそうじゃない! 世界観設定も細かな設定もちゃんとしている、だけどそれだけじゃないから、面白い! 設定が生きているから、最高!
言います、はっきり、こう断言できます。神慈悲は、めっっっちゃくちゃ面白い!!!!
つべこべいわず、何も考えずに、まずは、読んでみてください。
BL好きのかた! ぜひぜひクリスの色気にやられるディーンくんに「可愛い~」と一緒に叫びましょう! まだ、多分、微BLの領域なので、がっつりBLは……というかた! あなたに読まれるのを待っています!
BLタグにちょっと身を引いちゃう人も、第三章はすごかったけど、そこで立ち止まちゃわないで、そのまま最後まで読み切ってもらいたいと思います。ちゃんとBL作品にはなるのですが、Ⅱのメインはジュブナイルもの。アオハルものです! スクールカースト(?)ものです!
かつて、学生だったひとに読んでもらいたい。もちろん、いま学生やっているかたにも読んでもらいたい。こんなに等身大で、読んでいてこっちまでキュンキュンしてきちゃうのはないですよ!
オカルト? 舞台はアメリカ? 知識ないです、なんか難しそうって、腰が引けてるひとも、ぜひ! だって、何も知らない人間が読んでいてこんなにも心やられてしまっているんですよ! まずは、読んで! 思いっきり楽しんできて! って声を大にしていいたい……。
ここはカクヨムですが、「ヨム」ひとには声を大にして、おすすめです。
「カク」ひとにも、いや、カクひとにこそ、きっと学びになることがたくさんあると思います。なんたって、この文体で、これだけのことをしている小説ですもん。(さらに、自分より解像度高く読めるかたにはもっと隠された部分とか見えるんだろうな……。それはかなりうらやましい)、笑いの入れ方も絶妙で毎回毎回飽きさせないところもポイントです!(チュパカブラ…)
お勉強ついでに読んでみようかなと思って開いてみてください。小説の前では「カク」ひとも読者になっちゃう。きっと、そうなりますもん!(笑) さらにいうと最後の終わりのシークエンスの圧倒的な……おっとここは言えないぞ。
こんなに長いレビューになって申し訳ないのですが……だって、もっと、評価されてもいいと思うのです。作品の出来にしては星の数が少なすぎではありませんか……? 埋もれてしまっているのが、もったいない!!
少しでもこのレビューで読んでみようかなというひとを増やしたくて、ひとが多そうな土曜の夜に投稿します。明日は日曜。お休みのかたは、ぜひ、神慈悲を(できればⅠから)読んでみませんか??
さらにさらに、作者のかたが、注釈を書いてくださっているので、楽しさは倍増です。興味出て来たけど、どこから手をつければ――というひとの気持ちにもこたえてくれて、本当にありがたい……! 注釈も最高に楽しかったです!
キャッチコピーもレビューもうまくできなくて、苦しいのですが……
ぜひ! 一度、御一読を! お願いいたします! 酔いクリスも見れるよ!
Ⅲ連載中のいまこそ、読まなきゃもったいないです!
三相女神とは、三柱ではじめて一つの神と見なされる女神や一柱で三つの異なる形態を持つとされる女神のことです。
二相や三より多い数もなきにしもあらず、ですが三相は突出して多い。特に多いのは、娘・母・老婆の形態で分化した女神でしょうか。月の満ち欠けともよく紐付けられますね。
また二相、生死の表裏一体的な大地母神という存在も世界には多く分布します。
反対に男神で三相というのは寡聞にして聞きませんが、キリスト教の三位一体はもしかしたら近いのやも……?
などと、唐突な薀蓄から始めてはいますが、こちらの作品、登場人物の心情だけに沿うなら、ラズベリーとビターチョコのようなほろにが甘酸っぱい(軽微なBL要素含まれる箇所はあるけど)青春の恋愛が描かれた作品です(メルちゃんもディーンくんも初々しくてかわいい……)
友愛、恋愛、家族愛、親愛、うん、並べて愛なり……
あ、シリーズの2作目にあたりますので、1作目からご覧になった方が(主にオールド・ニックさんの人となりと大活躍について)わかるところが大いにあります。
恋愛であれ何であれ、個人対個人である以上「わたしの知らないあなた」、「あなたの知らないわたし」は少しでも秘密があれば生まれるもの。そして相手を知りたいからこそ、そこに駆け引きと詮索と邪推が生まれるのもまた必然。
そして、「わたしでさえ知らないわたし」というのも、またあるもの。
それと向き合わされてしまうのか、それともむりやりに引きずり出されるのか、というのは対比ですねえ。
そういえば、ギリシャにおける冥界で有名な女神といえば、二柱。デスポイナとも呼ばれる彼女と三叉路の彼女……そういえば雌蟷螂とか言われたりするのは彼女の方の眷属でしたヨネー、なんてオカルト系が好きな私が囁いております。