第11話 結

ラミアには、仲がいい両親がいる。


黒髪で茶色の瞳の母は、かなり頭が良く、長をしているみたいで、下町の皆が母を褒め称える。


そんな母が大好きな父はコウシャクって仕事をしているらしい。


父はよく母に会いに来て、プロポーズをしている。


母は、いつも嬉しそうにしているのに、絶対に頷かない。


そして、ラミアが一番好きな家族は、かわいい弟のロイドだ。


ラミアより4歳年下のロイドが可愛くて仕方がない。


ロイドには、お気に入りのハンカチをかけてあげたし、お気に入りのぬいぐるみを貸してあげた。


触るとフニフニしていて、ラミアを見るといつも笑う。


本当に凄くかわいい。


そういえば、大好きな人同士はケッコンするって、アーバン伯父さんが教えてくれた。


ラミアは、弟のロイドとケッコンしたい。


そうだ。


プロポーズしよう。


父が母にいつも言っている言葉をラミアは思い出して言った。


跪き、ゆりかごに揺られるロイドの小さな手を両手で包み込み、ラミアの頭をロイドの手につけて、言う。



「アイしている。


ずっとイッショにいよう。


ムカシのコトは


わすれてください。



オネガイだ。ロイド。」



母の名を弟に変えて、上手く言えたラミアは、満面の笑みを浮かべた。







END「忘れてください」


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忘れてください 仲 懐苛 (nakanaka) @nakananaka

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