Root 22 よく考えてみて。
――もしかしたら、これが噂話の正体だったかも。
白く石化された少女の件。それは、
私学展への出展した作品は……
思い出してみて。僕は僕に問う。今一度、今なら見える部分があるかも。記憶の糸を辿れば去年のことだ。とはいっても、去年が僕の……いやいや僕と
そんな中で……
見かけた白い彫像。三階から天の境目にある十三階段の室内でも見かけた何体か。個々に異なる彫像。その中には、僕の知っている人もいる……どころか殆どがそう。どれもこれもリアルな仕上がり。十三階段が聳える最も天に近い場所で集い合っている。縁する者がすべて。令子先生はメッセージを込めていたのだと思う。彼女のママや、彼女の双子のお兄さんに。もうボッチじゃないこと。お友達も沢山できたということも。
お盆に会いに来られても、
きっと安心してもらえる。
この心臓が止まるまでは、何があっても全力で生きると、僕の思いと同じ令子先生の思い。だから、精一杯に生きることの誓いを今一度、確認するために令子先生は、十三階段のお部屋を僕に見せた。……つまり僕より先に、怜央君に見せていたのだ。
それこそが、怜央君の美術部入部のキッカケとなった。そのお陰で僕は、怜央君と知り合うことができた。そして今はもう、パートナーの関係。
そして手伝うの、怜央君は美路さんの作品を。「おっ、慣れてきたな」と無意識に、美路さんの口から、怜央君を褒める言葉が漏れた。ミステリアスな雰囲気のこの物語も、和やかな空気が雰囲気を変える。そしてこの物語は、八月二十四日のクライマックスへ。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます