　私の尊敬する人

　　　　　　　　　　　　　　　　　　　三年A組　霧景大（むけいだい）　彩（あや）

　私の尊敬する人は一緒に生活している明日夏お姉ちゃんです。

　お姉ちゃんは毎日夜遅くから朝早くまで働いて、半ひきこもりの私を養ってくれています。

　コインロッカーベイビーとして産まれ、老夫婦に養子として引き取られるも老衰（ろうすい）で先立たれてしまい、老夫婦の親戚にたらい回しにされた挙句、独りぼっちになってしまった私を『おじいちゃんとおばあちゃんの子供なら、あたしにとっては妹だな』と引き取ってくれました。

　私はまさか、コインロッカーベイビーとして産まれ、老夫婦に養子として引き取られるも老衰（ろうすい）で先立たれてしまい、老夫婦の親戚にたらい回しにされた挙句、独りぼっちになってしまった私が施設に戻らなくて済むなんて思ってもみなかったのでとても嬉しかったことを覚えています。

　お姉ちゃんとの生活は贅沢はないけど、あったかくて好きです。ただ、典型的な夜型の生活なのでホルモンバランスが乱れ健康に支障をきたす恐れが十分にあります。

　そのため、早く私が一人前になって、お姉ちゃんの負担を少しでも減らせればなと思います。

　お姉ちゃんいつも一緒にいてくれてありがとう。

　これからも仲良く楽しく暮らそうね。

　あと、最近もう一人、尊敬する人ができました。それは隣に引っ越してきた二十八歳無職のおじさんです。面白くて優しくてちょっと臭いおじさんです。

　私はまさかコインロッカーベイビーとして産まれ老夫婦に養子として引き取られるも老衰（ろうすい）で先立たれてしまい、老夫婦の親戚にたらい回しにされた挙句、独りぼっちになってしまった私よりも、可哀そうでみじめな存在がこの世にいるとは思ってもみませんでした。

　仮に私が二十八歳で無職になっていたら、その日から二日後には死んでいたと思います。だから、こうして今ものうのうと生きて、あろうことか若者の希望で溢れる授業参観に教室の窓際に立って参加するおじさんの力強さに大きな勇気を貰っています。

　私、まだまだマシな方だったんだ、と、下には下が居るんだな、と見えなかった真実を教えてくれたことにも感謝しています。

　おじさん、私が飽きるまでの間だけどこれからもよろしくね。

　こんな素敵な二人に囲まれて、私の毎日は過去最高に楽しいです。

　あとは毎日白米が食べられれば言うことなしです。

　二人ともいつもありがとうございます。これからも仲良くしてね。

　おわり

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