第3話 ずぼら女が恋してみたら

 日々のルーティンで鏡を掃除してみる。

 しばらく見なかった自分を見る。


 まだ大丈夫。仕事にかまけていたら肌の調子が悪い時もあったが、

 今はそんなことよりもかわいくきれいにをモットーに自分磨きを頑張るのだ。


 筋力トレーニング生活でだいぶ肌の艶も出てきたし、

 健康的になってきたとは思う。


 BMIも標準多型の前半。


 あまりにモデル体型によりすぎると筋力が保てないのだ。


 いい感じにくびれも出てきていて健康的になってきた。

 同僚の真美は聞いてくる。


「ねぇ相手は?」

「行きつけのお店のお客さん」


 金曜の夜に見かけるようになったお客さん。

 かっこいいし、つい見とれてしまう。

「でもでもでも、声かけられなくて」

 変な客がいる店だと思われたらどうしよう。

「大丈夫よ。かわいくなったし、きれいになったし自信もちなよ」

「う~」

 まだまだ自信なんて持てない。

「そんなに自信ないならもっとファッションセンス磨くしかないでしょ?

 いい服着て、食事楽しんだらいいのよ」


「そうかなぁ」

「うだうだいってないんで行動して」

 真美は即断即決の女性だ。


 かっこよくもあり、うらやましい。


 恋の初めは勇気がいるもの。

 だから始めよう。

 私の言葉、最初の一言。

「あの。初めまして」

 私の恋路は始まったばかり。

「初めまして。素敵なレディ。一緒に飲みましょう」


勇気を出したらきっと答えてくれる。

 


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