もういいかい?——まあだだよ!じれったい幼馴染が僕に種明かしをしてくれるまでのストーリー
成瀬 栞
可愛い幼馴染
「くすくす」
ああ、僕の耳元で笑っているのは、幼馴染の彼女か。
まるでサイダーの瓶の中に入り込んだようにしゅわしゅわと耳をくすぐり、羽毛布団の中にもぐりこんだ時のような柔らかさで包んでくるような声で。
「ねぇ、颯君、目ぇつむってる?」
これは彼女の口癖。僕がすぐに目を開けたがる性格って知っているから、まるで瞼を上からやさしくなでているような声でいつも「待て」をかけるんだ。
うなずくと、嬉しそうに「しししっ」って笑う彼女の声がこれまた可愛らしくて、ふわりと鼻腔をくすぐる彼女の優しい花の香りが存在を知らせてくれるみたいで。僕の背中から手をまわしてぎゅっと抱き着いてくる彼女に、僕はいつも通りつぶやくんだ。
「もういいかい?」
「まぁだだよ!」
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