7:みんなが会う話
午前中の授業の記憶があまりない。
正確に言うと、まずそもそもいなかった。
どこかの先生の愚痴や手伝いをさせられていたのだ。(各授業担当からは許可を得ており公欠扱いとされている。)
そして昼休みに、教室に戻ったのだが、入室と同時に拉致され、気づけば椅子に固定されていた。周りを見渡すと、幼馴染みがこちらを凝視している。どこだこの教室?
まず、真っ正面にはスポーツ万能な幼馴染みがいる。
アオハル「あ、はい。」
敬語やめて?
オレから見て右側には成績優秀な幼馴染み。
アオハル「え、マジで?」
逆に左側では、無口系幼馴染みがこちらを睨んでいる。
アオハル「その黙秘権貸してくんない?」
そして後ろからは眠たげな幼馴染みが首に腕をまわして抱き締めてる(固定している)。
アオハル「幼馴染みが手を下す最後なら本望だ。え待って何で締め上げてんのうぞづいでないぃ…ぐぇっ…」
アオハル「で、どのようなご用で。」
静玖「今日来たという転校生について話を。」
アオハル「おー、
周りをキョロキョロ見渡すが、その天宮はいないようだ。
優愛「天宮なら
アオハル「そか。」
が、噂をすればなんちゃらかんちゃら。どこかの空き教室であろうこの部屋の戸が開き、廊下から我が愛しのマイディアー
水治「お兄ちゃ~ん!」
天宮にそう聞かれたのでとりあえず「裁判ごっこ」と言っといた。
さて、本題だ。天宮について話そう。
アオハル「天宮とオレは同じ幼稚園のよしみだ。小学校に上がるタイミングで天宮が引っ越したから離れ離れになったんだが…」
羽歌「うん…」
光樹「10年以上も前よ?よく覚えてるわね。」
アオハル「天宮とは超絶仲良しだったからな。」
羽歌「うん!あーくんとはいっつも一緒だったよ。」
アオハル「ところで
優愛「でも私らもそんな感じだったけどね~…」
光樹「まぁ、確かにそうね。」
歩乃日「だね!」
静玖「ん。」
最近みんながオレのことを無視します。
そして廊下からさらにこちらへ向かう足音と声が聞こえる。それは本校新入生主席のオレの幼馴染み。
水治「あ、さーちゃん!」
新「あら、水治さん?って先輩どういう状態ですか!?」
静玖「誰…?」
新「先輩の声が聞こえたから来てみれば…
待ってなんで聞こえるの?
優愛「尋問~…」
新「なっ、なんですと!?」
新(そんなっ…先輩の声で問い詰められる……!?)
多分違うこと考えてんよな
新「ふ、風紀を乱すようなことはしてはいけません!」
水治「風紀…乱れるかな?」
羽歌「えっと…あーくん、あの人は…?」
アオハル「後輩、幼馴染み、主席、風紀委員。」
オレの回答に、キラキラした目で「へぇ~!」と反応する天宮。可愛い。
歩乃日「また知らない幼馴染み…」
新「?
優愛「小学校が途中まで同じ~…」
あ、そうか。高波と会ったことないのか…
そしてそして、廊下からさらにこちらに向かう者が二名。
「「うぅわ出た。」」
天宮と水治以外が口を揃えて言う。
幸舞「あはは、ご挨拶だね。」
アオハル「姉さん?昨日の話聞いてたか?」
蒼華「愛しの姉妹達って話?」
アオハル「ちゃう。」
と話していると、天宮が問いかけてくる。
羽歌「この二人は…」
アオハル「あっちのフワフワしてる方はオレの愛しのマイディアー
幸舞「仲良く話してるとこ申し訳ないけれど、蒼華?みんなを外に出すの手伝ってくれないかい?」
蒼華「うん、いいよ~!さ、みんないくよ~」
歩乃日「え、尋問途中だよ!」
蒼華「ほかのとこで聞こ~!」
尋問をやめさせて?
幸舞「じゃあ僕はアオハルと部屋の戸締まりす「「待て。」」ん?」
オレの姉妹と天宮以外(オレ含む)から総じてストップがかかる。
幸舞「あれ?そういえば、君が噂の転校生かい?」
羽歌「えっ、あっ、はい!あーくんとは同じ幼稚園で…!」
幸舞「あーくん?というと…」
オレと目を合わせる桜寺。
幸舞「アオハルと同じ幼稚園か…」
そうだ。そこだけ集中しろ。
幸舞「あーくん…ふふっ…あーくんかぁ…」
くっそ。しばらくそう呼ばれるな。
幸舞「幼馴染みか。これはまた随分と可愛らしい娘だね…ふふっ。」
羽歌「か、可愛い…」
幸舞「?」
羽歌「あの、ボク…男のコ…なんだけど…」
幸舞「はははっ…そうか…」
羽歌「…」
幸舞「…」
周りをキョロキョロとみる桜寺。数名は少し共感したような素振りや表情を取るも、全員から「それ本当だよ」というオーラが溢れている。
幸舞「え?」
羽歌「あ、あはは…」
お、珍しい桜寺だ。
幸舞「す、すまない…嫌な気持ちにさせてしまったかな…?」
羽歌「あっ、いや…慣れてるので……」
幸舞「そう…か…うぅん…」
羽歌「ボクも先輩みたいに背の高いかっこいい男子になってたら良かったんですけど…」
うわナチュラルにかっこいいとか言ってる。あの、ただ天宮?うぅんと…
幸舞「えっと…すまないのだが、僕は男子ではないよ?」
羽歌「…え?」
幸舞「はは…ほら、これ。」
と言って、制服の下側を、つまりスカートをはいているということを示す。オレの手を掴み指を指させて。
アオハル「二度手間じゃない?」
幸舞「君との戯れは欠かせないからね。」
オレは華麗にスルーした。
羽歌「す、すみません!ボク、同じこと…」
幸舞「いや、構わないさ。それに、褒めてくれたことに代わりはないのだから…」
さすが王子様。怒らない、責めない、フォローを欠かさない。
新「ちょっと!私たちのことそっちのけで話さないでくださ「高波ぁ…」ひゃえ!?」
優愛の拘束をスルリと抜け、高波の耳元に迫る。
新「せ、先輩っ…急にはぁ…」
「「……?」」
この光景を初めてみる者たち一同が困惑している。
新「えへへ~先輩~…」
羽歌「あっ!ボクも…」
優愛「ん~…」
と、ぞくぞくとハグしにくる幼馴染み達。
歩乃日「ズルい!」
静玖「うん…」
アオハル「お?ズルいって言ったな?オレのことそん「「うるさい」」…うっす。」
光樹「あなた打たれ弱くないかしら?」
アオハル「じゃあ慰めて。」
光樹「っ!?しょ、しょうがないわね…不本意だけれど」
アオハル「いや無理にとは「は?」いや、なんもないっす…」
蒼華「アオく~ん!お姉ちゃんだよ~」
水治「妹だよ~!」
幸舞「あの、僕が話を伸ばしておいて言うのもあれだけど…そろそろ本当にでないかい?あとアオハル。僕も慰めてあげれるよ?」
???「あの人達…アオハル様を…!」
先生「あいつどこ行きやがった?」
メインキャラ揃ったから、次回から本編…かな?
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