第17話

「お前、僕に対してなんだその目は?」


 アストリアは俺に向かって、ズンズン歩いて来る。


 しまった。

 不審に思っていたのが伝わったか。


「い、いえ、何でもありません?」

「何でもないだと? さっきの目はそんな感じはしなかった」


 ゲームの時のアストリアは優しかった。

 メンバーの女の子が傷付いた時、自分の傷を顧みず、治癒魔法を使った。

 モンスターにやられそうなケモミミ少女をかばって、自分が瀕死になったり。

 どんな目に合っても優しい笑顔で、皆を包んでくれていた。


 でも、目の前にいるアストリアは、目をぎらつかせ恐ろしい顔だ。


 彼の足元には、先程まで執拗に殴られた男達が倒れていた。


「あ、あなたは……本当のアストリア様ですか?」

「は?」


 アストリアの顔が歪んだ。


 やっぱり、こいつは偽物だ。


 転生者だ。

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