8月7日

 8月7日、僕はよく晴れた空の下をうきうきとしながら歩く。部活動もない上に晴れているからオオバさんに会いに行けるのがとても嬉しく、僕は昨日の外で降る冷たい雨の音を聞きながらの甘く熱い数時間を想起した。

昨日は僕の家でだったため、両親が帰ってくるまでしかいられなかったが、その数時間でもしっかり僕はオオバさんを愛せたし、オオバさんからも愛された。

だけど、今日は午前中からオオバさんの家に行けているし、昼食も外で済ませてくると言っている分、両親の邪魔も入らないから僕は走ってオオバさんのところへ行きたい程だった。

けれど、走って行こうとして転んでしまってはオオバさんに心配をかけてしまうし、怪我を考慮してオオバさんとの大事な一時が無くなってしまうかもしれない。だから、それを阻止するためにこうして歩いて向かっているのだ。


「……オオバさん、今日はどんな格好かな」


 ふと僕の口からそんな言葉が漏れる。オオバさんはいつも胸の辺りが緩い白い服を着ていて、昨日もその格好だったのだが、時には白いワンピース姿で麦わら帽子も被っているし、一度は縁側に黒い下着姿で立っていた事もあった。

だから、必ずしも白いワンピース姿ではなく、その一着しかないとは思えないので、もしかしたら今日はまた違った格好かもしれない。そんな期待をしながら十数分歩き、オオバさんが住んでいる廃墟につくと、そこには僕の期待していた通りの光景が広がっていた。


「オオバ……さん……」

「あら、いらっしゃい。午前中から来てくれて嬉しいわ」


 水を張ったビニールプールの中で嬉しそうに言うオオバさんはなんと白いビキニ姿だった。黒い下着姿だった時はその扇情的な体つきがより際立って見えてすごくドキドキした。

今日の白いビキニ姿は同じようにへそなどの腹部や手足が露になっているだけでなく、どこか爽やかさや清楚さみたいな物を感じて、これからこの人と社会的にイケナイ事をするかもしれないと思った瞬間に背徳感でとてもゾクゾクした。


「オオバさん……」

「ふふ、今日も暑いからビニールプールを出してみたの。青志君からしたら同年代の子の水着姿の方が見たかったかもしれないけどね」

「……そんな事ないです。水着姿のオオバさんはすごく綺麗で、その……」

「ちょっと興奮する?」


 思っていた事を言い当てられて僕はビクリとしたけれど、わざわざオオバさんがそう言ってきたという事をオオバさんからの了承だと勝手に決めつけ、僕はふらふらとしながらオオバさんに近づくと、オオバさんはふわりとした笑みを浮かべた。


「一緒に海に行くのは難しいけど、このビニールプールで気分だけでも味わいましょ。水を浴びて涼んだり日焼け止めを塗ってもらったり……ね?」

「は、はい……」


 返事をした後、僕は一日中オオバさんと一緒に海で遊ぶ気分を味わった。水を浴びて肌についた水滴を輝かせるオオバさんも素敵だったが、汗をかきながら“日焼け止め”を垂らしているオオバさんもとても素敵でゾクゾクした事だけはしっかりと言っておこうと思う。

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