二十一件目 内面硝子
「全く...何でコレくらいの仕事も早く済ませられないんだよ!!」
’’すみません...、でも俺の仕事だけ明らかに他の人の何倍もあるとおもうのですがそれは一体どういう...’’
「それはお前に期待をしているからこそ、それに比例するように仕事の量が増えているに決まってるだろ!!
はぁ...それくらいのこともわからないのかお前ってやつは...。こうなったらもういい、この仕事は向こうの...」
’’待ってください...、それならちゃんとあの...期待に答えられるように仕事やるので...もう一度チャンスを頂けないでしょうか...’’
「...なら寝食を忘れてでも、何があってもこの仕事を今日までに終わらせろ。これは絶対命令だ。
...いいか。お前には期待しているんだよ、だから必ず一人でやりきるんだ。」
’’......でもこれ一日で追わせられる量じゃ...(やばい、眉間にシワ寄ってきて...)...はい、分かりました。’’
*
’’なんでいつも俺ばっかりあんな仕事を押し付けれられて...あんな風に圧力をかけれられてまでやらなくちゃいけないんだよ...
もうこんなところやめてやる...もう...限界なんだよ...生きるのも...早くこんなところから、おさらばさせてくれ...’’
「...?真逆飛び降りでもやるの?飛び降りは痛いからやめなよ〜
まぁまぁ、話くらいは聞いてあげるからさ。...あ、そうだ!ふ菓子でも食べる?
コレ甘くてふわふわ軽くてすごい美味しいんだよ〜!
...ね、だから一旦こっち戻ってきて、ボクの話し相手してくれない?」
’’...??え、なんで空中に足が浮いてる...、あぁ、俺がついに目まで壊れてきたのか。つい最近上司に資料をぶん投げられて、
’’お前は頭がおかしい’’
って言われたからな...それを考えたら、俺の目も頭も全ておかしいと考えても否めないよな...はは...’’
「え??ああ、浮かんでるのは今は気にしないで〜
ただそっちの目がおかしいんじゃなくて、ボクが浮いてるのは事実だから、オッケー??まぁ、ふ菓子でも食べて落ち着きなよ。」
’’は、はぁ...??’’
「うん、よしよし偉い子。ちゃんともどってきたご褒美にふ菓子をあげよう。」
*
「だからお前ってやつは...ここが違うと何度も言ってるだろ!!
何度言わせたらわかるんだ!!」
’’すみませ、...’’
『...あ、すみません。それ私の判断で敢えてそのままにしたんです。私が見た限り、あまりにも良い出来に見えたので。それに、これは私の愚見になりますが、若者らしい素敵なこんなに素晴らしいアイディアを上からの圧力で潰すのはどうかと思います。下の者が上手く言い返せない事を良い事に、黙って聞いていれば貴方の行っていることは名誉毀損罪に該当します。』
「んだとお前...急に横から話に介入してきた割に偉そうに...」
『あぁ、そんなに大事そうな話では無いように解釈していたものでして。...あ、それと先程私が述べた件に関しては、既に録音と録画はしてありますので、後で訴えさせていただきますね。
...最後に、唐突ではございますが私と恐神君は本日を持ってこの会社を退職させていただきますので、後は取締役ご自身の頭で今後どうすればよいのか考えてくださいね。今までありがとうございました〜』
「何だお前次から次へといちいち話を先に勧めやがって...
第一にお前が言ってるのもパワハラじゃねぇのか。勝手にそいつも一緒に辞めるって決めつけてるんだろ。」
’’いえ、ぁ...えっと...それは...’’
「なぁ、そうなんだろ。違うのか。」
『...全く、何処まで頭が硬いんだか。...今日は深夜の仕事が増えそうだ。』
’’あ、ッ...ちょ、悠寿引っ張んなって―――
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