五件目 醜くも美しい精神
「あいたたた...うぅさっっっっっっむ...」
「恐神センパ、い...めっちゃ体いてぇっす...生きてるっすカ...?」
悠寿による異空間転生魔法みたいな名前のやつのお陰で無事、お岩が嘗て過ごしていた元禄時代に飛ぶことができた。が、なんでよりによって空き地みてぇな所になんか飛ばしたんだよ...
「んだそれよりさっさとあの怪力女(悠寿)探すぞ...
恐らくあの女のことだから、きっとそこら辺で寝っ転がってるか犬にでも...」
「あはははは!!悠寿さんが犬だったら俺達どうすりゃいいんす、...か...」
二人して、悠寿は犬になってるだろう、いやそこらへんで寝てるだろうなんて話していると、外国人のような金髪の少しだけ背丈の伸びた人間が目の前を通った。
「ッおい悠寿!!お前...」
「What? Who is Yuzu? And...When you talk to people, you should greet them first, don't you?(何? 悠寿とは誰ですか? それと、人に話しかける際は、挨拶を先にするべきですよね?)」
「え、真逆の外国人...待って俺外国語話せないんだけど...」
「もう...恐神先輩何してるんですか...俺だって英語できない、〜〜〜〜〜!!」
元禄時代に異空間転生して直ぐのこと。二人してうなりながら、目の前にいる異国の女性の機嫌をさらに困らせ周囲に居る人間にとっても、二人にとっても異国の女性にとっても凄く最悪でしかない状況だっただろう。
「Wow...what a bunch of ungracious men these people are...(はぁ...この人達はなんて礼儀のなっていない男なのかしら...)」
そう言いながら呆れた物言いで近くにあったものを八つ当たりするように投げようとする勢いで、女性が苛つき始めたときのことであった。
「Excuse me.May I have a moment of your time, please?(すみません。少しお時間いただけますでしょうか。)」
誰もが振り向くであろう艷やかな黒髪と、華やかな着物を着た少女が現れ、異国の女に柔らかな声で話しかけた。
「What now? I am so frustrated with these men.(今度は何?私はこの男たちの影響でイライラしているの。)」
「Oh...I see...First of all I'm sorry.Actually, the man is an acquaintance of maine, ando all this time he has been devoted to his job and focused on his work rather than learning the language.So they don't know the language, they are both sorry, but they don't even know how to convey their feelings to you, and they don't know the language, so they can't say anything. So please let them off the hook this time.(先ず最初にすみません。実はその男は私の知り合いで、今までずっと仕事に打ち込み、語学を学ぶよりも仕事を中心に動いていました。なので、彼らは語学がわからないのです、二人は反省はしていますが、あなたにどうすれば気持ちが伝わるのかさえも分からず、語学も知らないので何も言えません。なので、今回は見逃してあげて下さい。)」
「Then what's that word you've been talking about?(ではさっきから話している言葉は何?)」
「It is a language unique to this country that they have taught themselves.They lost their parents when they were four old and were placed in foster care and worked from job that year.(それは彼らが独学で学んだこの国独自の言葉です。彼らは四歳で親を亡くし、里子に出されその年から仕事をしています。)」
「Was it? I did a bad thing. I'm sorry.Please let them know.I'll leave you to it.(そうでしたか。悪いことをしました。すみません。彼らにも伝えておいて下さい。それでは失礼します。)」
よくわからないが、唐突に現れた黒の長い艶髪を風になびかせた謎の女X(探偵の本の読みすぎ)により、この場を乗り切ることができた。
「なんかどういう状況になったのかわからないけど、有難う御座います...?」
「...え?気づかないの?ボクだよ?」
「え???悠寿男じゃなかったの??!?!」
「人によっては“男“という者もいるし、その一方で“女“として扱う者も中にはいるけど… ―――だよ。」
男二人の雄叫びのような声に比例するように、近くを飛んでいたカラスが二人を煽るように鳴いていたように聴こえた。
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