初夜

阿滝三四郎

初夜

セットをしていた目覚まし時計が

やさしく奏でていた



「おっ、おはよう!!」

「うん、おはようございます❤」

ベッドの上で、二人は顔を合わせた


「なんだか、ハズカシ❤」

と、顔に手を当てた

「そっ、そうだね。おはよう」

と、微笑んだ


「何回か、朝を迎えたことはあったけど、今日は、ちと違うやね」

「うん❤」

少しだけ、赤らめた顔が、指の隙間から見てわかった



「昨日は、すっげぇー、楽しかったな」

「うん。みんな、いい顔していたよ、ね」


「そうだね、美嘉の友人達も気合入れて、盛り上げてくれてありがとね」

「うん。お父さんもお母さんも嬉しそうに笑ってた」

「君との出会いをお膳立てをしてくれた、あいつにも感謝だな」


「みんな、本当に、いい笑顔で楽しんでくれてたね」

「楽しかったな~」


「もう一度やりたいなんて思っていない?」






「ねぇ~見て、綺麗な青空に、青い海」

「コーヒー淹れるよ、バルコニーの椅子にでも座って待っていてよ」

「うん❤」



「おまちど」

「ありがと」


「うん、おいし❤」




「な~に」

「綺麗だよ、美嘉」


「・・・」

「美嘉、これからもよろしくね」

と、笑いながら、顔を覗き込んでみた

そして

「いつまでも、一緒にいよ」

と、つづけた


「うん。ありがと、よろしくお願いします」

と、顔を赤くして言った






「冷めちゃったね、コーヒー淹れなおすね」

「うん、ありがと」

と、返事をした美嘉は



ベランダの手すりに手を掛けて

おもいっきり顔を青空に向けて、日光浴させている

その、綺麗な後ろ姿を見て、また惚れなおしたことがわかった


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初夜 阿滝三四郎 @sanshiro5200

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