LOVE、かくし色
お友達のサユリはとっても物知り
とても同い年とは思えません
今日も彼女と帰り道
「ねぇ、サユリの人生は何色?」
「なによいきなり?」
「ほら、人生はバラ色とかいうじゃない」
「万年恋愛脳のあなたは桃色よね」
「ちょっとー! そこまでひどくないよ!」
「だって、消しゴム拾ってもらったり、目が合って微笑んでくれるだけで気があると思ってんじゃん?」
「え! 違うの⁉︎」
「はぁ〜、あんたには親切心とか社交辞令って言葉をいっぺん教えてあげないと駄目ね……」
「わたしのことはいいからさぁ〜。サユリの色、教えてよ〜」
「なんか下着の色訊かれてみるみたいで嫌ね」
「グヘヘッ……! お嬢ちゃん、何やったらそっちの色でもエエんよ〜」
「おまわりさ〜ん! ここに痴女子高生がいま〜す! 助けて〜!」
「わぁ! 待って待って、ほんとに今こっち向いたじゃん⁉︎ シャレにならないから!」
「私の場合『お』をつけてよね」
「つけてもオシャレにはならないよ! もぉ! そんなのいいから、早く教えてよ〜。何色?」
「色々ね」
「それはズルい〜。お千代さんは禁止ルールで!」
「知ってる? 白って200色あんねん」
「ポジティブ〜‼︎ って、ここでアンミカはいらんし!」
「やけに白黒つけたがるわね〜、あっ、2択でいい?」
「も〜、上手いこと言ってごまかそうとしないでよ〜。白だけで200あるって言ったとこやん」
「ちなみに虹の色は7色って言われるけどあれはニュートン先生が決めたのよ」
「えっ! そうなの⁉︎」
「そうよ。それもその理由が音階が7つに分かれているからっていう何とも素敵な理由からなの。なのに海外では6色とか5色とか3色だなんて言ってる国もあるによ。頭にきちゃうわ!」
「ずっと7色が当たり前だと思ってた〜。へぇ〜」
「ちなみに、ももいろクローバーZの妹分のたこやきレインボーも最初は7人メンバーだったのに5人になって、そして消えてしまったわ……」
「うん。その知識は特にいらなかったかな? お陰で我に返ったよ。はい、雑学はいいから早くサユリの人生の色を教えて、早く早く、はやくぅ〜」
「あっ〜! もう、しつこいわね〜。えーい、『いなくなれ、群青』」
「なぜに急にミステリー? ただ色訊いてるだけなのに⁉︎」
「階段の先には何があるのかしら……ね?」
「知らんし! も〜、なんでとぼけるのよ〜」
「あなたと一緒よ」
「……え?」
「あなたと一緒。そう言ったのよ」
「え、じゃあ、サユリも桃色なん?」
「そうね、まぁ、違う言いかたすれば……
色ボケね」
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