第32話 幼馴染は負けヒロイン!?

 

 「結奈ねぇ、どうしよう?お姉さまが取られちゃう!」


 「落ち着きなさい。薫は私たちを捨てて、他の女に行くような薄情な娘ではないわ」


 「うう。そうだけど、、、」


(でも、結愛の言う通り。このままではまずいわ)


 「結愛、幼馴染は負けヒロインって知ってる?」


 「えっ。どういうこと?」


 「幼馴染は近すぎる存在が故に恋愛対象とはならないってことよ」


 「でも、未来さんはお姉さまと離れてたじゃない!!」

 

 「確かにそうよ。でも、だからこそ、私たちに出来ることがあるんじゃないかしら?」


 「私たちに出来ること?」


 「薫はこれからも未来と交流するはずよ。でも、私たちはより長い時間、薫と触れ合える」


 「つまり、邪魔するってことね!」


 「違うわ。邪魔したら、薫は悲しむもの。だから、適度に触れ合わせて友人枠へと落とし込むのよ」


 「なるほど!さっすが、結奈ねぇ」


 「ふふん。もっと褒めなさい」


薫の与り知らぬところで、密かに計画が進められていた。



一方その頃、


 「久しぶりに会った薫くん、可愛かったなぁ。前から可愛かったけど。すごいいい匂いもしたし」


 「やっぱり、好きだなぁ、、、、、。かおるくん、、、」


(あの姉妹は絶対に私たちを邪魔してくるはず。昔からそうだった。私が声をかけようとする度に邪魔をして。でも、同じ学年だもの。学校で愛を育めばいいんだわ!)


こうして、薫の与り知らぬところでまた、密かに計画が進められていた。





 「ママ、出来たよ〜」


 「さすが薫ね!お手伝いしてくれるなんて!いい娘すぎてハグしちゃう!」ギュー


 「ちょっと、離して〜」ギュー


僕はママと料理のお手伝いをしていたら、なぜかハグされましたとさ。




????


 「この子が小鳥遊薫くん?」


 「はい、お嬢様。しかし、なぜ元婚約者のことなどお調べになるのですか?」


 「決まっているじゃない、そんなの」


(あぁ、薫くん。薫くん、薫くん、薫くん、薫くん、薫くん、薫くん、薫くん、薫くん、薫くん、薫くん、薫くん、薫くん、薫くん、薫くん、薫くん、薫くん、薫くん、薫くん、薫くん、薫くん、薫くん、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、、。絶対ものにしてあげるからね)


 「お嬢様?いかがなされました?」


 「なんでもないわ。このまま編入手続きを進めてちょうだい」


 「かしこまりました」


(待っててね。今、行くわ。愛しの婚約者さんっ)

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