男の娘がTSした!あれ、みんな反応薄くない⁉︎

Ahmed

第1話 みんなから愛される男の娘

 「きゃー。かわいい!」

 「ほっぺもぷにぷによ!」


 こんな風に女子に取り囲まれながら、身体のあちこちを触られるのにも慣れてしまった。本来、男子なら両手を上げて歓迎する様なシチュエーションだが、僕は違う。何故、こんなことになってしまったのだろう。


 僕の名前は小鳥遊薫。現在、地元の公立高に通う高校1年生だ。割と美形だと思う両親と同じ高校に通う一つ上の姉、中学3年生の妹がいる。


 そんな僕には悩みがある。身長が伸びないことと顔だ。身長は元から小さい方だった。成長期に入れば伸びると思っていたのに、同年代の女子より小さい147cmしかない。そして顔だ。割と美形の両親の元に生まれたのだ。それはもう期待したし、実際姉も妹も美人だと思う。そんな僕の顔はイケメンの父に似たのではなく、母に似てしまった。つまり、完全な女顔。いつしか、姉・妹とともに美人三姉妹とか呼ばれてた。学校でも、男子のグループじゃなく、女子のグループにいつの間にか入っていた。そして、冒頭のシーンである。


  「なんでこんなに柔らかいんだろう」

  「相変わらず、いい匂いがする〜。」


 休み時間になるたび、僕の周りには女子が寄ってきて抱きつき、触られ、匂いを嗅がれる。こんな生活が何年も続いて、いつしか慣れて抵抗することも無くなってしまった。女子たちが片時も離れずにいるので、男友達なんかいない。挙句の果てには、体育の前の着替えやトイレなんかにも付いてこようとする。そんな生活のせいで僕の口癖は


 「僕が男って知ってるよね」


になってしまった。女子の皆さんはご丁寧に毎回、


「知ってるよ〜」


と声を揃えて応えている。なんで毎回声揃ってんだろうね、ははは。と苦笑いしながら、もみくちゃにされる休み時間。なお、解放される気配はない模様。



 そんな僕は自慢じゃないけどモテます。そう、モテるんです、男子に(泣)。


 「はぁ。」


とため息をつきながら、朝、クラスへ向かうと


「薫くん。どうしたの?」


とすかさず、何人かの女子がやって来る。


「ああ。これ。」


と封筒を見せると、


「ああ。またラブレターね。放課後?」


「うん。」


このやりとりをもう何回しただろうか。


「はぁ。」


とまたため息をつく。同性にモテても全く嬉しくないし、告白を断るのにも体力がいるのだ。ため息をつきたくもなる。


「大丈夫よ。薫くんは私たちが守るから。」


と的外れな励ましとともに教室に入る。でも、一つ言いたい。


「僕は男の子だって何回言えばいいの!?」












処女作です。優しい評価をお願いします。★と♡をお願いします。

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る