わたしはどんどん沈んでいく

宗像 緑(むなかた みどり)

第1話 海の中

わたしは今海の中をゆらゆらゆっくり沈んでいく。





不思議と魚もなにもいない。





なぜか息はできるようで苦しくもない。





むしろリラックスしている。





ゆらゆらとどんどん海の下へ落ちていく。





どんどん深く沈むにつれ、明るさもなくなっていく。





重力も感じず、ゆっくりゆっくり深い暗闇に落ちていく。





穏やかな気持ちになってくる。





心も身体も満たされる。





ゆらゆらとゆっくり深くに落ちていく。





もう明るさもなく真っ暗な世界に落ちていく。





やっと底につく。







そこは真っ暗だけどとても居心地がいい。







何かに包まれているようで身体の力も次第に抜ける。







どんどん身体の力が抜けて心が落ち着いてくる。







だんだんまぶたも重くなる。







意識が次第になくなってくる。







携帯を持つ手の力も入らなくなる。







もう身体に力は入らない。










ゆっくりおやすみ。















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