(好きすぎて)ちょっかいをかけてた子が同じ高校に転校してきたんだが、あれ?何か勘違いしてませんか?
青甘(あおあま)
第1話最悪or最高の出会い
10月某日
秋の紅葉が見ごろとなる寒い日に、彼女はやってきた。
「どんな人が来るだろう。」
「楽しみね。」
「カッコいい男子が来てほしいわ~。」
今日はクラスに転校生が来るとあってみんな楽しみにしている。どこか浮足立つ様子が教室に流れる。
「HRはじめるぞー。」
教室の扉が開き先生が入る
「もう知ってると思うがうちのクラスに転校生が来る。秋の転校生は珍しいが仲良くしてやってくれ。そして喜べ男子ども、転校生は女子だ。」
先生のにやりと笑いながら聞こえてくる言葉に男子の間で歓喜の声がいくつも上がった。
「それでは入ってきてくれ。」
ガララ
扉からひとりの女子が入ってきた。
「はじめまして!○○柚華です。みなさん仲良くしてくださいね」
「うおおおおおお」
「がたっ」
男子の叫ぶ声と一緒にある男子生徒一人はとっさに顔を伏せる。まるで顔を見られたくないように…
そんなことはつゆ知らずクラスでは少女に質問を多数していた。
なぜかって??
誰もが可愛いと思うほどの美少女が入ってきた。
その一言に尽きるだろう。
クラスが陽気な雰囲気に包まれる中、僕は頭を悩ませる。
(なんでここに彼女がいるの!?)
彼女がいることに僕は驚きを隠せないでいた。
「じゃあ○○さんはいずがわの隣に座ってくれ」
「ひゃっ、はい」
突然名前を呼ばれ訳も分からず返事をする。
どうやらもしかしなくても僕の隣の席のようだ。
男子共から羨む視線が飛び交う。
最悪だ…
「よろしくね いずがわくん」
微笑みながら僕に挨拶をする。
まるで見た人を恋に落とすような笑顔で。。
「こ・・・・こちらこそよろしく」
昼休憩になり僕は屋上へと弁当箱を持参し、向かう。
「へー、咲のクラスにはそんなにかわいい子が転校してきたのか。俺も話してみたいな」
「漣には無理だよ。チャラすぎる」
「ひどくないか?こう見えてもクラスの人気者なんだぜ」
そういって漣はドヤ顔になる。彼は中学からの友人だ。The陽キャという雰囲気でクラスのリーダー的存在となっている。どうして僕と正反対ある彼と親しくなったのかというと感じ方が似ていたから。
「はいはい、知ってるよ」
僕は適当に漣の言葉を流す。
他愛のない話をしながら昼休憩が終わり、各クラスに戻った。
「ん?」
教科書を取り出そうと机の中に手を入れると一枚の紙が入っていた
『いずがわ 咲くんへ
放課後、屋上に来てください
話したいことがあります』
紙にはそうつづられていた。これは女の子の字だ。
こんな陰キャなんかにメッセージを書くなんて嘘告か嫌がらせしかない。うん、絶対そうだ。
放課後
屋上にて、
「誰もいないじゃねーか」
普段は使わないような言葉づかいで叫ぶ。
(まったく期待してなかったけどね・・・・うん)
帰ろうと思い扉に手をかけようとした瞬間
ガチャリ
一人の女子高生が来た。
○○柚華だ。
彼女は寒いのかマフラーをしており、頬が少し紅い。手が少し震えている。
寒いからなのだろう。
「それじゃ、僕はこれで」
彼女に足早に言って帰宅しようとドアノブに手をかける。
…ドアは開かない。○○さんが足で扉を抑えている。
「待って!!」
そう泣きそうな顔で言ってきた。
「いや、僕急いでるんでこれで」
ドアは開かない。
かわいい言動とは裏腹にものすごい力で扉を抑えている。
「ねえ、どうして待ってくれないの?」
それは本当に魔法でもいうような悲しそうな顔でこちらを見る。
僕は観念してドアノブから手を離した。
その様子を見た彼女は安堵の表情を見せる。
「手紙読んでくれてありがとう!やっといずがわくんに会えた!私、ある思いをいずがわくんにずっと伝えたかったの」
僕は覚悟を決めた。
ああ、彼女にとって僕は関わりをもちたくないほど嫌悪する存在だから、話しかけるなとか言われそうだな。もしそうなったら、最初に謝ろう、絶対に。
…いやでもそれなら最初から僕に話かけなかったらいいだろうに
「えっとね、話っていうのは小学生のころにつながるんだけど覚えてる?」
思案している頭は彼女の言葉にかき消される。
「あ、ああ」
僕は、そう、答えることしかできなかった。
(もう、次の言葉はわかってる。もう二度と私にかまわないでとか土下座しろとか、そんなことを彼女は求めてるんだろう)
心のどこかで否定していた思いが大きくなる。
それだけのことをしたんだからしょうがないと、潔く謝る準備をする。
許してもらえないだろうな…
そう思いながら彼女の言葉を待つ。
「その・・・・最低最悪なくず川に小学校の借りを返す予定だから覚悟しててね♡」
満面の笑みで僕に言ってきた
その言葉は僕の予想の斜めどころか無辺世界の方向だった。
あれ???一体どういうことだ。確かに彼女にひどいことをしたが、笑顔で『復讐します♡』と宣言されることの程だったのだろうか…
僕は彼女にそんな考えを抱かせるまでのことをしてしまったのか?
「それじゃ、また明日ね♪}
僕に伝えたことに満足したのか、彼女は困惑する僕をおいてスタスタと出て行ったしまった。
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初めまして青甘(あおあま)です。
この作品はカクヨムコンテストのために執筆していこうと思います。
最低一日1話は更新していくので、ぜひ読んでみてください。
(好きすぎて)ちょっかいをかけてた子が同じ高校に転校してきたんだが、あれ?何か勘違いしてませんか? 青甘(あおあま) @seiama
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