女体化したら最強(凶)!?

イリュウザ

第1話 そんな...

「残念ながら、君はもう男に戻れません。」

 医師からは、無情な一言が返ってきた。


「でも、昨日は男に戻れたのに?」と思わず言い返してしまう。


「ええ、昨日は男に戻れましたね。

 その時の検査結果から、男性体に致命的な欠点が見つかりました。

 そのため、君の体はその是正のため今の体に変化したと思われます。

 もう既に戻れなくなっていると思うがどうだね?」


 医師の言葉に従っで、男に戻ろうとするが強烈な吐き気と頭痛と全身に激痛が走った。思わず両手で体を抱きかかえ、椅子から崩れ落ち床にうずくまる。

 駆けよる医師と看護師に「大丈夫です。」と答えるが、顔には玉のような汗が流れ、浅い呼吸で真っ青であった。


 そのまま、診察室のベットに寝かされ診察を受けた。

「拒絶反応だな。

 男に戻るのは諦めた方が良い。

 君の男性体は、君の能力の受皿としては小さすぎる。

 また、体質的にも能力を使うには向かない。

 無理に戻れば命を落としかねない。」


 医師の言葉に驚愕と恐怖を覚えるも訊いてしまう。

「男に戻れる方法は無いのですか?」

「残念ながら無い。

 諦めて女性として生きてくれ。」


「そんな...」

 うだなれる私を他所に、両親と対魔庁の担当の氷室ひむろさんとで話が進んでいく。


「神城さん この後予定は、

 退院後 最寄りの市役所で性別の変更手続きを行います。

 次に対魔庁で、ライセンス証の発行。

 その後、彼女の通う中学校に行きます。

 今後、女生徒として通うことを報告します。

 彼女は、たしか中学3年生でしたよね?」

「はい、そうです。」

「それでは、進学先は訓練校になるので該当の訓練校を選んでください。

 この辺りの地区だと北関東か中部の訓練校になります。

 選択先は、中学校の進路担当に報告してください。」

「分かりました。」


「ほれ、出来たぞ。

 氷室 後のことは頼んだぞ。」

 医師が、氷室さんに書類とUSBメモリーの様なものを渡した。


「了解。

 ゆうさん 調子はどう?」

 診断書の様な物を受け取った氷室さんが優しく尋ねてきた。


「はい、もう大丈夫です。」

 返事をして起き上がる。


「では、優さんは着替えてきてください。

 その間に退院手続きをしておきます。

 1階ロビーで待っています。」


 私が着替えてロビーで合流すると

「では、行きましょう。」

 氷室さんに続いて退院し、対魔庁の用意した車に乗って、近くの市役所に移動。


 手続きは、氷室さんが対応してくれたのであっさり終了した。

「後日、IDカードの再発行が完了した旨の郵便物が届きます。

 指定の市役所で受け取ってください。

 その際は、今持っているIDカードの返却も忘れずに行ってください。

 お疲れ様でした。」

 市役所の職員さんの注意事項もらって終了。

 ただ、市役所内を移動中にすれ違った人や市役所の職員さんには何度もガン見されて、視線が痛かった。


 対魔物対策庁静岡支局に移動した。

 ライセンスのための写真撮影・魔力紋の登録・IDカードの登録を行ってしばし待つと、真新しいライセンス証を渡された。


 早速、ライセンス証を確認する。

 名前:神城 かみしろ ゆう


 能力      ランク

 身体強化:    S

 放出系:風    B

 具現化:     -

 特殊系:耐日光  C

 魔力:      S

 総合:      S


 ん! ランクS!?

 特殊系の耐日光ってなに?

 身体強化の項目には部位も書いて無い!


 早速、氷室さんに確認する。

「あの~ このライセンス証のランクがおかしくありませんか?」

「間違いありませんよ。

 検査入院中に5人の上級能力鑑定士による判定結果です。」

「特殊系の耐日光とは?」

「それは、文字通り太陽光に対する耐性を付加する能力ですね。

 有害な光線、紫外線等をカットする能力です。

 日焼け防止能力ですね。

 私も、欲しい能力です。」

「そうですか・・・

 あと、身体能力で強化部位が記載されていないのは?」

「貴方の場合、全身・内蔵・脳にいたるまで強化できますから部位が記載されていません。」

「そうですか・・・」

 どっと、疲労感が襲ってきた。

 これから、どうなるんだろう。

 しかし、脳まで強化ってなんだろう?

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