復讐へと至る道

ゴロゴロ卿

プロローグ

 とあるホテルの上階。その女性はグラスを片手に、もう片方でスマホを耳にあてていた。


「ええ、ドナー候補は複数よ。上出来でしょう」


 ……


「必要な設備、助手は用意されるわ。あと麻酔科医は、わ・た・し」


 ……


「もちろん事前の検査もあなたの手に委ねるよう交渉済み」


 ……


「二、三日中に連絡があるから。どんな時でも必ず電話に出られるようにしておいて。旅行に出るなんてもってのほかだからね」


 ……


「いいわね。違えたらこっちの命も危ないんだから。わかったわね」



 そして彼女はスマホをテーブルに伏せると大きくため息をついた。


「振られた相手の仕事を仲介するなんて、私も……」

  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る