第16話 みんなでやると楽しい

 たくさんの経験を積んでいく体制が整ったラーツと僕は、家族に家の手伝い以外にも色々な事に挑戦してみたいと打ち明けることにした。


「家の事は僕に任せろ!」


 と兄のデイルが胸を叩いた事で家の中が温かい空気になった。ありがとうお兄ちゃん。


 いつものように一人で経験を積みに行こうとしていると、広場で幼馴染たちに出会った。


(そういえば・・・みんなも5歳になって経験ポイントが入るようになってきてるはずだよなぁ。ラーツ、ラーツが良ければみんなも一緒に修行に誘ってみるのはどうかな?)


 僕の提案にラーツはこくりと頷いた。

 ラーツは、一人で黙々とやるのも苦じゃないがみんなと一緒にワイワイ何かをすることも楽しめるタイプの子だった。

 ラーツが、


「みんな、一緒に色んな修行しない?」


と誘うと、みんな二つ返事で準備を始めた。みんなで一緒に訓練するのが騎士団や冒険者みたいでテンションが上がる様だ。


 幼馴染は、みんな隣の地区に住む同い年の子たちだ。「レフ」「ミッグ」「ロウ」「マナ」「ハイナ」の5人で、レフとミッグは長男だからおそらく家を継ぐだろう。ロウは僕と同じ次男でマナとハイナは女の子だから家業を継ぐことは少ないかもしれない。


 まぁなんにせよ、経験を積んでステータスを上げておくことは今後の人生の糧になるだろう。損になることはない。脳内異世界おじさんの人生訓だ。



 今日はラーツが提案したものをやってみて、明日以降は日替わりでみんなのやりたい事をやっていくのはどうだろう。自分の好み以外のステータスが上がるのは偏りが少なくなっていい。まるで分散投資じゃないか!



 丁度1週間に1日休みもとれるし、みんなでやってみる提案は正解だったかもしれない。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る