ラーテルの反撃
カンツェラー
第1話 見鮫町に雨が降る
佐藤健二(30)「最近は物騒な事件が、こんな田舎町でも起きる様になったんだな」
美香(妻・29)「田舎町ってほどでもないじゃない。最近は特に?」
健二「ま、最近は特にそうだな。お休みどきにはかなり多くの観光客で町の中心地は盛り上がってるし」
美香「ところで、どんな事件なの?」
美香はキッチンで料理の音と香りに包まれてテレビのニュースが聞こえていない。
健二「ん、連続殺人事件らしいよ。今日の遺体発見で3件目で、1件目と2件目と全部に共通点があるって。」
美香「共通点?」
健二「遺体の横腹に似た様な刺し傷があって、これが致命傷になってるんだってさ」
美香「おっかなすぎるわね」
健二「しかも、致命傷なんだけど、そこまで深くなくて、手当てせずにいると徐々に出血多量で死に至るやりくちみたいだよ」
美香「何それぞっとするわね」
健二「犯人は、まだ町に潜伏している可能性があるから、一人での行動を避けて、人通りの多い場所を歩いて、夜中には外出を控える様にだって」
美香「私は、それで大丈夫だけど、あなたこそ大丈夫?」
健二「そうだね、夜中に出歩くことあるけど、スーパー銭湯に出掛けにいくことくらいだから、大丈夫だよ。銭湯前の駐車場から目の前の銭湯に入る2分くらいだから笑」
美香「そうね笑 できたわよ〜」
健二「お〜、今晩もとっても美味しそうだ!」
美香「もうすぐ家族が増えるし、産休をうまく使って料理の腕がどんどん上がってくわ笑」
健二「ん〜、喜ばしいことだ笑 うん、うまい!」
美香「私も産後、スーパー銭湯に行ってみようかしら」
健二「そうだね、育児の疲れを癒してくれるかもだし」
美香「そうよね」
妻の出産予定日は、約1ヶ月後。新しい家族が増える、とても幸せだ。
仕事も忙しいけど順調。その疲れを癒す通いのスーパー銭湯がある。
昼間は人気で日帰り観光客の集まり場だが、夜間は地元の人間にとって密かに人気のある場所だ。明日は、土曜日。夜に疲れを取りにいこう。
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