第54話 メッセージ


友人と談笑中。

手元のスマホに、通知が来た。メッセージアプリ。

『深夜二時に行く』

唐突過ぎるメッセージに、友人に断り、アプリを開く。

「あれ?いたずら?何で目の前にいるのに、こんなメッセージ送んの?」

今正に目の前にいる友人からのメッセージだった。笑っていた友人の顔が、真顔になる。

「そんなの送ってないよ。何、深夜二時に行くって」

そのままポケットからスマホを確認して、顔を青くする。

「送信してる……」

「そういやスマホ、出してなかったな」

「そうだよ。いじってない」

友人が頷く。二人で、自分のスマホをテーブルに置いた。もう一度メッセージを見る。画面には変わらず、残っていた。

「てかさ、何が、どこに来るの。それ」

「……」

瞬間、着信音が響いた。友人からのもの。もちろん、お互いスマホには触れてない。止まった瞬間、揃って速攻で電源を切る。深夜二時は友人宅で何事も無く過ぎたが、しばらく頭から離れなかった。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る