第4話 窓を叩く


そろそろ寝ようかという頃。窓の向こうから


コンっ……カリ……コンっ……カリ……


という軽い音が聞こえる。

虫でもぶつかってるのか。軽い気持ちでカーテンを開ける。

窓の外で、真っ白な指先だけが闇から浮かんでいる。それが、窓をノックし爪で引っ掻いていた。私が見ても尚繰り返している。


ーー見ちゃダメだったやつか


真顔でカーテンを閉め、寝室へ向かった。


それ以来、夜に窓から音がしてもカーテンを開けることは止めた。


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