マジックミラー号殺人事件

みなもとあるた

マジックミラー号殺人事件

「本日は笑顔の可愛い素人さんに声をかけてきました。それでは本日はよろしくお願いいたします」


「可愛いだなんて嬉しいです(笑)よろしくお願いしまーす」


「マジックミラー号に乗るのは初めて?」


「そうですねー、噂には聞いていたんですけど、内側からだとこんなきれいに外が見えるんですね」


「今からここで殺人事件を起こすんだけど、実感ある?」


「うーん…まだ実感ないですね。やっぱり本当にしなきゃダメですか?(笑)」


「もしかして緊張してる?」


「そう…ですね(笑)撮影されながらするのって初めてなので…」


「ということは、経験自体はあるってこと?」


「えー///言わなきゃダメ…ですか?…まあ、そういうこと、です(笑)」


「初体験は何歳くらいの時?」


「大学に入ってすぐの時…だったかな?酔っ払ったサークルの先輩に襲われて、気付いたら手に持ってた包丁で…」


「ついヤっちゃったんだ?」


「えへへ(笑)」


「じゃあどちらかというと責められるより自分から責めたいタイプ?」


「いえ、その時は流れでそうなっちゃいましたけど、どちらかというと相手から責められたいって思ってます」


「例えばどんな風に?」


「手を使ってとか、道具を使ってとか…ですかね?動けない状況で無理矢理…みたいな」


「結構具体的に妄想してるんですね」


「やー恥ずかしい(笑)」


「一人でもよく妄想するの?」


「ドラマとか見ててそういうシーンが出てくると、つい…///」


「でも、今ここにいるってことは、これまで一度も逝った事がないってことだよね?」


「はい(笑)」


「逝きそうになったことはあるの?」


「初体験の時もあともう少しで逝きそうだったんですけど、それより先に相手が包丁で逝っちゃって…」


「それからも逝けたことはないんだ?」


「はい(笑)なので逝く時にどんな感じがするのかすごい気になってます」


「じゃあ今日はいろんな道具を使ってじっくり責めてあげますね」


「わー緊張する///ちゃんと逝けるかなー?」


「怖くない?」


「ちょっと怖いですけど…そういう動画をネットで見るのが趣味で、自分もこんな風にされてみたいなーってよく思ってたので、楽しみな気持ちの方が大きいかな?」


「じゃあ早速ダイイングメッセージ書こうか?」


「えっ、いきなり…ですか?」


「ちゃんと撮ってあげるからね」


「すごい…こういうのって動画で見たことありますけど、まさか自分がすることになるなんて思ってもみなかったです」


「字がキレイですね」


「そんなに見られてると恥ずかしいです(笑)っていうか本当に外から見えてないんですよね?」


「もっと鏡の近くまで行ってみる?」


「えー///なんかあそこの男の人、こっち見てるような気がしちゃいます」


「たぶん気のせいですよ」


「本当に向こうからは見えてないんですよね?」


「でも声は聞こえちゃうから気を付けてね」


「わたし声が大きいって言われることもあるので、気を付けないといけないですね…はい、書けました」


「ほら、ダイイングメッセージ、鏡の向こうに向けてみて?」


「わー…向こうからは絶対見えてないってわかってるのに恥ずかしいです…」


「じゃあダイイングメッセージも書けたことだし、そろそろ始めよっか?」


「うわ…すっごい長くて太い包丁…こんなの今まで見たことない…」


「家で使ってるのはもっと小さいの?」


「ケガするのが怖いから、もっと短くて小さいやつしか使ったことないです(笑)」


「じゃあ、ゆっくり入れていくからね」


「あっ、そんな…まだ心の準備が…」







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マジックミラー号殺人事件 みなもとあるた @minamoto_aruta

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