第4話 親友の彼女の処女をNTRました。

「う……うん」


 澄香すみかの舌が、俺の舌にまとわりついてくる。

 俺は夢中になって、澄香すみかと口中で交わりあった。


 心の奥の奥の一番奥に隠していた後悔の念がまるで洪水のようにあふれでてくる。


 俺は、なんでいぬいの告白を止めなかった?

 俺は、なんで自分も澄香すみかが好きだって白状しなかった!?

 俺は、なんでわざわざ澄香すみかが欲しいものをいぬいにプレゼントさせたんだ!?!

 俺は、俺は……なんで……澄香すみかに告白しなかったんだ!?!?!


「ぷは……はぁはぁ」


 俺は、澄香すみかと唇を離すと、そのまま澄香すみかの肩とひざの後ろに手をまわす。そして、


「きゃっ!」


 俺は澄香すみかを抱きかかえた。お姫様だっこだ。

 俺は抱きかかえたまま、ずんずんと二階に登って、俺の部屋のベッドに澄香すみかを運び込む。


「ま、まって……流斗りゅうと、アタシ汗かいてるからシャワー浴びさせて!

 このままだと……はずかしい」


 ぞくり。


 頬を染めてつぶやく澄香すみかの言葉に、俺は興奮した。背中がぞくぞくした。


「大丈夫だ。問題ない」


 俺はあれよあれよと澄香すみかを裸にすると、汗のにおいがほのかに香る、澄香すみかの全身を味わっていく。


「まって、まって流斗りゅうと、まだ、心の準備が……あ……あぁ」


 俺は、澄香すみかの汗、それからここには書いてはよろしくない所の味と匂いを存分に堪能した。そして……


「やさしく……してね……」


 俺は、澄香すみかのうるんだ瞳を見ながら天に昇った。


 ・

 ・

 ・


「はぁはぁはぁ」

「はぁはぁはぁ」


 俺と澄香すみかの激しい息づかいがシンクロする。


 やっちまった。俺は、親友の彼氏を寝取ってしまった。しかも処女を。

 絶頂とともに自分の無数の分身が排出された途端、俺の頭はウソみたいに澄み渡った。これが世に言う賢者モード……なのか?


「そ、その……澄香すみか?」


 俺は今更ながらに澄香すみかの身体を気づかった。

 澄香すみかは、泣いていた。


 腕で目を隠しているから表情はわかんない。でも、しゃくりあげる声とピクンとふるえる身体でわかる。しゃくりあげるたびに、澄香すみかの控えめな乳房がわずかに揺れる。


「うん……平気。ありがとう流斗りゅうと……これで、踏ん切りがついたよ」


 ぞくり。


 なんだこの寒気は……友達の彼女を、しかもその処女を寝取ったのに……


 ありがとう?

 踏ん切りがついた??

 

 なんで?

 なんで澄香すみかの心は、いぬいから離れないんだ??


 俺は、心の底になんとも言えない感情が芽生えていた。ここにはとても書いてはいけないようなドス黒い感情が、むくむくと、ふつふつと、湧き上がっていくのがわかった。

 俺は、いぬいにだけじゃない、澄香すみかにも嫉妬しているんだ。

 俺に処女をささげているのに、それなのに、彼氏のいぬいから心が離れない澄香すみかにも嫉妬しているんだ。


「………………………………

 ………………………………」


 澄香すみかは何かを話し続けている。腕をはがして、表情もはっきりわかる。澄香すみかは、はにかんだ笑顔で俺に話しかけている。


 でも、聞き取れない。


 澄香すみかの声が全く聞き取れない! 代わりに、


「わぁ! なんておっきな嫉妬♪ こんなに食べきれるかなー♪」


 おねーさんの声が聞こえる。俺は自分の身体を見た。


 ぞくり。


 ぞっとした。全身に、青みがかった髪の毛がからみついている。

 これって、あれだよな、おねーさんの髪の毛だよな。


「いっただっきまーーーーーす♪」


 どぷん。どくどくどく……ごぷぅ!!

 

 な……ん……だ?


 身体にチカラが入らない。目の前がかすんでいく。


(え!? 流斗りゅうとどうしたの?

 流斗りゅうと? 流斗りゅうと!?)


 俺は、意識が遠のく中、澄香すみかの声をかすかに聞いていた。

 そして真っ白になった頭の中には、あのおねーさんの声がハッキリと響き渡った。 

 何故だかやたらと舌足らずになった、おねーさんの声がクッキリと響き渡った。 


「ふー。ごちとーたまでしたー」


 ……そうか……俺は、おねーさんに嫉妬の感情を食べられたのか。


 俺は、澄香すみかが好きだった。


 小さいころからずっと仲が良くって、なし崩し的に付き合うことになるんだろうなって思っていたのに、俺が意気地がないばっかりに、親友のいぬいに横取りされたんだ。


 いや、横取りは人聞きが悪い。俺は、いぬいを応援してたじゃないか。プレゼントのアドバイスをしていたじゃないか。


 自業自得だ。それなのに、いぬいの、そして澄香すみかのことを嫉妬するだなんて……。


 俺は、なんてバカなんだ!

 俺は、なんて自分勝手なんだ!!

 俺は、俺は、最低のクズ野郎だ!!!


 ぞくり。


 眼球がぐるりと上を向いていくのがわかる。ああ、俺、気を失うんだな。

 気を失った後、どうなるんだろう……ひょっとして……死……?


流斗りゅうと? どうしたの!?

 流斗りゅうと

 ……………………………………………………!!)


 俺は、澄香すみかの腕の中で、ゆっくりと意識を失った。




☆☆☆


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