VSヴォーネス共和国(クラリス教団)
第106話 新たなる任務
イヴァンから築城ならぬ築砦?築拠点を言い渡された翌日セリエと徒歩で現地に向かうことになった。
1カ月かけてようやく岬最寄の街道に着いた。
「王都から結構かかりましたね~」
「だね、ただここからあと3日かかると思うぞ」
「まだかかるんですか~?」
地図を見る限り岬まで行くのに道沿いなら2日くらいの距離があるが、目の前にあるのは背の高い木々だった。
「4日かかるかも?」
「さらに伸びましたね~」
「森の中を歩かなきゃならないからな」
「うぅ~魔物がいっぱい出そうですね~」
そりゃ出るだろうな、4日というのも甘いかもしれないと思った。
街道から、藪の中に入り草を踏み分けながら歩き始めた。
『以前みたいに歩きやすくしようか?』
『頼む』
草や細い木々が左右に割れた。
それでも地面がボコボコしていて歩きにくかった。
大分森の中に入ってから思った。
道を作りながら進めばいいのでは?と、地面に手を付け土魔法を発動させ、道予定地や予定地左右にある雑草や木等の植物を根こそぎ抜き整地した。
「凄いですね~よく魔素切れにならないですね」
「使徒だからじゃないかな?」
倒れた木々や不要な草木を水分魔法で乾燥させアイテムボックスに入れある程度綺麗になった所で、最後に地面を固めて道を完成させた。
「使徒なら魔法使い放題~うらやましいです~」
『セリエも戦神の加護があるから、魔素切れしにくいはずなんだけど気づいてないのかな?』
自覚させるためにも何か魔法を使うように促せばいいかな?
「セリエも何か魔法使ってみたら?」
「何が出来ますかね~」
自分の適性をしらないのか?
『セリエは水、火、土の3属性適正だね~』
土を持ってるなら自分と同じようなことをやらせればいいだけだ。
「自分と同じように道の横にある木々を抜いてみたら?」
「わかりました~やってみます~」
セリエを見守ってると、自分の半分程の範囲の木々を引っこ抜き整地していた。
「出来るじゃん、体の調子は?」
「できましたね~まだまだ大丈夫ですね~」
「ならそのまま、岬までやっちゃってよ、魔物は自分が対処するからさ」
「了解です~」
その後襲ってくるブラックベアやグレーダーボアなどを相手にしつつ道づくりを進めた。
日が暮れ始めたため、道づくりを一旦やめ脇に広場をつくりログハウスを出した。
「それはなんですか~?今まで野営の時はテントだったじゃないですか~」
「生前使ってた山小屋だよ、ここら辺なら人目もつかないし大丈夫でしょ」
これまでの野営は大きな街道沿いの野営地だったためか人も多く普通にこの世界のテントセットで過ごしていた。
「はぁ~なるほど~今夜は快適な睡眠が約束されてるんですね~」
テントで床がゴツゴツしてりゃ快適な睡眠は難しいか、自分は普通に生前使っていたキャンプ用ベッドのコットを出して寝袋で寝てたから割と快適なキャンプ生活だった。
「今夜は夕食食べたら早めに寝なよ、自分が見張りをするからさ」
セリエの表情が明るくなった。うれしいんだろうなと思った。
「ありがとうございます~」
その後夕飯の支度をし夕食を済ませた。
「それじゃ先に寝ますね~」
「ゆっくりやすみな~」
「は~い」
セリエがログハウスの中に消え、ログハウス内の明かりが消えた。
今まで得た木々を神刀で枝を切り払ったりし、ログハウスを囲むように気の壁を作った。
『ヒスイ、ログハウスの見張りを魔物が寄ってきたら教えて』
『OK』
魔物の住処を奪うようで申し訳ないが、エスティアの街や街道から30km範囲を除き、岬までのすべての植物を根こそぎ抜いた。
次は、土を流すようにして抜いた植物を1か所に集めていると、襲ってくる魔物達が居たので相手をした。
根こそぎ抜いた際に倒木した木の下敷きになった魔物も少なくなく、木々と一緒に1か所に集まっていた。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます