ダンジョン攻略編
第56話 鉱山都市トザズトアの冒険者ギルド
侯爵やグアーラ達と別れ、Yシャツスラックス等の現代風ファッションから、親から貰った着物ファッションへチェンジした。
ポーコスを越えさらに北を目指す。
『ヒスイ、知っていたらで良いんだけどトザズトアのダンジョンって何が取れるの?』
『そうだね~まずは宝石類、これはかなり低い確率でストーンゴーレム等のストーン系の魔物から落ちるよ、それから銅鉱石、コッパー系からだね~ブロンズ系からは青銅鉱石、アイアン系からは鉄鉱石、ミスリル系からミスリル鉱石等々、それぞれゴーレム、ヴァイパー、ウルフの種の魔物がいるよ。ごくまれにスリムなゴーレムが居るから気を付けてね、いいもの落とす分強い!』
ウルフか、ポーコスの奴隷商にいた狂犬病の人はこのウルフが原因なのか……?
ブロンズウルフとかストーンウルフとかが細菌を持ってるとは思えないのだが……?
『採掘量は青銅が多いのかな?』
『青銅じゃなく銅がおおいね~次いで青銅、鉄って感じで続くね~』
ヒスイとおしゃべりしていると朝日が昇り周囲も大分明るくなった。目の前には大きな山があり中腹に街らしきものが見える。おそらくはそこが目的地トザズトアなのだろう。
ポーコスからトザズトア間は、朝早くから馬車頻繁に行き来している。おそらく採掘された鉱石が運搬されているんだろうな。そんな往来の激しい道歩き続けようやくトザズトアに到着した。トザズトアはこれまでの街と違い、街を囲む城壁なんてものが無く木の板の壁だった。さらにはポーコスやポーンタナよりも活気があり人も多い。もしかしたら国境都市のジャッスエイより賑やかかもしれない。
『賑やかだね~さすがダンジョン都市ってところかな~』
『ダンジョン都市って賑やかなのが普通?』
『もちろん!特に高額取引されるものが手に入る場所だと一攫千金を夢見て集まる人は多いよ。』
『へぇ』
さてと、まずは冒険者ギルドに行って賞金首の件を片付けちゃおう。街の入口を見回すと冒険者ギルドを表す羊皮紙の看板があった。
冒険者ギルドに入ると、多くの人が居た。特にドワーフ率が異様なくらい高い7割位がドワーフか?と思える位白髭の小柄なおじさんがいる・ドワーフの女性は小柄なおばちゃんって感じなのか、初めて見た。
辺りを見回し、賞金首の掲示板を探すと有った。ポーコスの奴隷商にいた男の子と女の子を襲った3人組が手配されている。殺人・誘拐か、あの記憶を見ると他にもやらかしてそうだけど。とりあえず、ジャガックスとクリフト、サンディの3人の手配書を剥がし、一番左にあるカウンターのお姉さんの元に行った。
「すいません、この3人を討伐したのですが~」
3人の手配書をカウンターに置いて伝えた。
「賞金首ですね、畏まりました。ついてきてもらってもいいですか?」
そう言うと、カウンターの上に並べた手配書をまとめ丁寧に持ち案内してくれた。
また偉い人の所で検分かな?
「はい、大丈夫です。」
その後受付のお姉さんの後についていき3階の部屋に通された。そこにはショートカットの男性がいた。
『魔素視持ってる。私の事ばれてる』
「賞金首ですか?」
「はい、こちらの3名だそうです。」
お姉さんがギルドマスターと思しきお兄さんに手配書3枚を手渡していた。お兄さんの耳がとがっている辺りエルフかな?
「わかりました。戻っていいですよ。」
「はい、失礼します。」
ジャッスエイのマスターと比べると落ち着いた感じのする人だな。
受付のお姉さんが下がるのを確認すると、
「そちらに座ってください」
座るように促されたので従い椅子に腰かけていると棚から、トレイの様なものを取り出し、お兄さんがこちらを見た。
「自己紹介がまだだったね、ボクはアマネ、このトザズトアの冒険者ギルドのマスターをやっている。君の冒険者カードを見せてもらってもいいかい?」
アマネ?女性?と疑問がわいたが、言われた通りに秋津直人の冒険者カードをだし、渡した。
「秋津直人君ね、3人の首又は死体を出してもらってもいいかい?」
「はい」
トレイの上に2人の首と冒険者カードを、床にジャガックスの死体を置いた。アマネはじっくりと見た後。
「全部本物だね、ちょっと待ってね。」
それだけ言うと、仕事用の机に戻り引き出しをごそごそとして紙切れと貨幣を持ってきた。死体と首をアイテムボックスに入れたのかな?机の上床からそれぞれ消した後、目の前に腰掛け机に3枚の紙きれと白銀貨1枚と大金貨2枚が目の前に置かれた。
「これが3人の報酬ね、君はまだ冒険者になったばかりだよね、なのにSランク殺しの2人とジャガックスか、鋭利な刃物によるものと、死因は左目よりの傷より落下によるものかな?」
120万円かウマ~とか思う前に、法医学医師にでもなればいい、死体にあまり触れずに死因とか判明できるとか十分法医学医師になれそうな気がすると思った。
アマネはじーっとこちらの様子を観察するように見てる。
『ヒスイこの人も暗部所属?』
『うん、彼女強いよ、本当に暗殺者として活動できると思う、油断しないほうがいいよ、適正武器が珍しい糸だよ!』
こわっ!
蜘蛛のように絡めてくるのだろうか……
「ん~精霊さんとおしゃべりしてるのかな?色から見るに、ドライアドかな?」
「わかります?」
「それ位はね」
ってか、彼女?男じゃないの?
『男じゃないの?』
『それ言わないほうがいいよ……、間違いなく女性だよ』
「精霊とやり取りしてるならわかってると思うけど、冒険者ギルドには暗部と言って悪人の処理部隊が存在するんだけど、どうかな?君もこちらに来ないかい?」
真実を見る眼で自分の事を見られたと解ったうえでの勧誘か、
「いや、結構です……、自分は人を殺すよりは救う事のほうが向いてるので」
「そっか、残念だよ。トザズトアに来たって事はダンジョンに潜るのかな?」
「その予定ですね」
アマネは納得したようにうなずいた。
「何人で潜るのかな?」
「ソロですね、正直パーティ組むのは好きじゃないので」
「なら進んでも14階層までにしておきな、それ以降は1人だと対処が間に合わなくなるからね、それからこの3人見かけたら討伐してね」
先ほど持ってきた紙切れは、ポーコスの奴隷商所で治療した子の加害者だった。言われずとも捕まえるつもりだった。
「この3人ってアマネさんが対応しないんですか?」
アマネ自身が直々にやれば問題ないだろうにと思ったが、
「そうしたいのは山々なんだけどね、協力者がいるらしく常にダンジョン内で生活してるみたいなんだよね、ボクは仕事上何か起きない限りダンジョンには潜れないからね」
なるほど、誰かに依頼するしかないと……、というか中で生活できるスペースがあるのかな?
「ダンジョン内で生活できるスペースなんてあるんですか?」
「君はダンジョンをしらないのか、すべてのダンジョンに共通する事だけど、所々セーフティエリアがあってね、魔物が寄ってこない空間があるんだよ。長期間潜るやつらはそこで野営をしているね」
読んだweb小説だとボス部屋の手前がそんなエリアって事が多かったっけ?
「ボスとかいるんですか?」
「居るよ、ここだと7の倍数がボス階層だね。」
『ヒスイ知っていたらでいいんだけど、ここの最下層って何階?』
『100だよ』
すると98階が最後のボス部屋か?残り99、100階は何があるんだろうか?
「他に知りたいことはあるかい?」
ダンジョンと言えば地図とかはあるのかな?
「地図とかはありますか?」
「もちろん、攻略組が34層攻略中と聞いているからね、そこまでだったら1Fの受付で貰えるよ」
「わかりました。情報ありがとうございます。」
「気を付けてね、くれぐれも無理をしないように」
アマネに見送られ部屋を後にした。
1Fまで戻り、依頼票掲示板を見て回ると鉱石の採集依頼が多い、ただS、A、B、Cとまったく同じ採集依頼が掲示されていたりしている。まぁ採掘出来ればランクは関係ないか。先ほど上まで案内してくれたお姉さんの元に行き、ダンジョン内の地図を貰った。
よっし採掘道具を買ったら早速潜るかな。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます