第168話 悪夢の夜4
(まだ起きてますか?)
(まぁ、あれだけの事があったからな。すぐには寝れないさ。)
(そうですか。これから帝城で今後の対応について緊急会議が始まるようです。また、口頭で説明しましょうか?)
(ここまで来たら頼む。どう落ち着くか気になるし。)
(ではお伝えしましょう。)
ーー??ーー
(…マルク。……いえ、彼は死んだ。私が殺してしまったのよ。)
涙が再び流れそうになるが、流れない。当たり前だ、そんな生半可な覚悟で皇帝になる決意をしたわけではない。彼という代償を払って得たチャンス、逃すわけにはいかない。
(切り捨てるのよ私、その想いは枷になる。………ふぅ、それにしても勢いで出てきちゃったけど手紙を読んでおいたほうがいいかしら。…動揺しすぎね。)
自嘲の笑みを浮かべながら、彼の手紙、いや遺書を読むために再び部屋に戻る。
「ガチャ」
(ええと、……………なるほどね、理解したわ。もう伝えていてくれてるのね、事務次官には。近衛騎士と暗部にも早々に仕込んだほうがいいわね。陛下直属だから遠慮してたけど手段は選んでられないものね。ふふ、でもあれらを泳がしてたのはよかったわ。こんな事態に使うとは思わなかったけど。マルクのおかげね。)
遺書を読み終え、再び会議室へ向かう。その歩みに迷いはなかった。
しかし会議室の前へ行くと近衛騎士たちに止められる。
「シャンデリア殿下、そのお姿は?」
血で染まった服を着るシャンデリアに警戒を示すだけではない。今までとは違う、怜悧な雰囲気、凍えるような眼差し。思わず道を譲りたくなる。
「裏切者を粛清しただけよ。陛下の御前にこのような姿で出るのは不敬かもしれないけれど、そのようなことを言ってる場合でもないでしょう。」
「しかし…」
あくまでも職務に忠実な近衛騎士たち。
「何度も言わせないで。あなたたちの役目は不審者を取り締まること。退きなさい。」
怜悧な雰囲気からさらに熱が失われていく。圧倒的な雰囲気、魔力とも違う。人間として何かが決定的に違う。帝城を包む自然と背筋が伸びてしまう雰囲気、それに帝城の中の傑物たちが気付く。
「…ハッ」
近衛騎士たちはよく分からないながらもその雰囲気に押されて恭しく一礼し、扉を開ける。
シャンデリアが中に入るとすでに参加者は集まっており、一斉に視線が向けられる。
「シャンデリア…内務大臣、その姿は?」
娘の血にまみれた状態に驚く皇帝。他の大臣たちも険しい顔をしている。たとえ娘とはいえ不敬すぎる。いつもと雰囲気が違いすぎて指摘できないが。
「このような姿で陛下の御前に現れることをお許しください。」
「…理由を聞かせてもらえるのだろうな?」
(なんという、なんという冷たい雰囲気。儂でさえこんな雰囲気は出せん。…これは化けたか。王としては嬉しいが、父親としては哀しいな。)
皇帝は一瞬、もしシャンデリアが兄弟で帝位争いすることになったら…と考えるが、すぐに切り捨てる。可能性皆無の仮定の質問に意味はない。
だが衝撃を受けていたのは皇帝だけではない。他の大臣たちもそうだが、最も衝撃を受けていたのはエンベルトだった。しつこく責任を追及しようと思っていたが、その気になれないのだ。ただひたすらに凍てつく瞳、言葉を出せなくなる絶対零度の雰囲気、なにもかも以前のシャンデリアとは違う。だがどこかで見たことがある気もする。そう確かに過去に自分は――
「勿論でございます。そもそも今回の襲撃事件について内務省の末端の職員は掴んでいました。しかし一部の職員によって情報がせき止められており、私にまで上がってきませんでした。ですが襲撃が起こった際、襲撃の兆候を一切つかめなかったのはさすがにおかしいと思い、すぐに裏切者の存在を疑いました。そのようなことができるのは一握り、職員に鎌をかけたところ引っかかったため、すぐに処断した次第です。そのためこのような姿に。」
「なるほど。それで襲撃を仕掛けてきた勢力は何かわかるのか?」
「恐らくモルテ教かと。」
マルクの手紙には白い服を着た集団が各地で自爆したとあった。自分の知る限り、危険な集団の中でそんな恰好をしているのはモルテ教の信者のみ。賭けではあったがほぼ確信していた。
「ふむ」
(暗部の結論と一致しておるな。)
シャンデリアがそう言った瞬間、ざわめきが起こる。以前からモルテ教はマークされていた教団であるため、その教団による犯行を止められなかったとあれば明白な責任問題だ。
「そこまで掴めていながらこのような蛮行を許したのか?」
(やっぱりそうくるわよね。でも残念ながら認めるわけにはいかないわ。悪く思わないでね、暗部の皆さん。)
「工作員を仕込もうとしたところ、暗部からストップがかかり止めざるを得ませんでした。」
ここでまたもざわめきが起こる。
「確かに裏事は暗部の領域だが…」
「しかし内務省に干渉するのは行き過ぎでは?」
「いや、そもそも本当に干渉したかは不明では?」
大臣たちは小声で話し合うが、シャンデリアに直接物申す者はいない。怖いのだ、雰囲気が。敵に回したくないくらいに。古参の大臣たちも前回の帝位争いでは感じたことのない雰囲気に冷や汗を感じるくらいだ。
「むう…」
(そう来たか。エンベルトは何をしておる?、これは又とない機会だぞ。おそらくこの先、シャンデリアは隙らしい隙を見せんぞ。)
皇帝は長年の経験からここがシャンデリアを潰す絶好の機会だと感じるが、エンベルトが動くことはなかった。若いがゆえに修羅場を経験したことがなく、大国の皇子であることも拍車をかけていた。だから逃してしまう、勝負所を。勝負所で尻込む者に勝利など得られない。
「陛下、原因の究明も大切ですが、今は対応策を考えるべきでは?」
(ふふ、陛下はまだ私を罰せない。ここで私が消えればさらなる混乱は必至だものね。その間に手を打てばいいだけよ。)
シャンデリアが失脚すれば影響は様々な貴族に及ぶ。恐らくシャンデリア派閥のいくつかのポストは争奪戦になるだろう。現在の状況ではそれは皇帝の望むところではない。
「…そうだな。現在は落ち着いておるが、報告によれば帝都で複数の自爆事案が発生、そして帝城の宝物庫にも襲撃。いくつか盗まれたそうだ。他の都市からは通達が来ておらんから帝都だけだとは思うが断定はできん。」
皇帝の顔が険しい。それもそのはず、帝城が攻撃を受けたのは記録に残るころより初めて。
「全く近衛騎士は何をやっているのか。」
「本当にそうですな。」
「あのようなことがあったばかりというのに。」
大臣は口を動かすだけで案は一切出さない。帝位争いが始まってから少しずつ腐食し始めている。
「…儂は帝国内部に裏切者がいると睨んでいる。ジュラの暗殺に引き続き、この帝都への襲撃。皆はどう思う?」
「私もそのように思います。これほど一方的にやられるのはどう考えても不自然かと。」
「そうですな。問題は誰が裏切っているかという事ですが…」
各大臣は皇帝に追従するが、その大元には言及しない。
「内務省の一部の職員を除けば、近衛騎士と暗部では?」
冷たい声でシャンデリアが告げる。一人の大臣がどの口が言うのかと皮肉を言おうとしたが、視線を向けられるだけで言葉が出てこなくなる。
「何故そのように思う?」
「近衛騎士が帝城に賊を招き入れ、帝都には暗部が賊を招き入れたと考えればつじつまは合います。」
(どう考えてもそうでしょうね、根拠はないけれど確証はあるわ。)
「ふむ。それは儂も思っておったところだ。では宝物庫から盗まれたものについては把握しておるか?」
ここで近衛騎士団長に尋ねる。
「…申し訳ございません。現在、調査中です。」
決して俯きはしないが、それでも思う。自分に近衛騎士のトップは務まらないと。
「早急に調べよ。それと逃走した者がいると報告を受けておる。絶対に逃がすでない。」
「御意。」
「それで今後の対応についてだが…、非常事態宣言を発動し、復興を最優先とする。それでだが、ガルド財務大臣よ、金は惜しむな。ふんだんに使え。経済相は物価の安定と食料の供給を滞りなく遂行せよ。エンベルト外務大臣は他国が攻めて来ぬように牽制せよ。なんなら多少不利でもトランテ王国と和睦しても構わん。それと情報収集も怠るな。」
「「「御意。」」」
「それで復興の主導は…」
(今はシャンデリアに任せるしかあるまい。だが、他の者たちは納得するか?)
ここで皇帝が話すのをやめ、シャンデリアの方を見る。
「私がやりましょう。このような事態になった以上、責任は内務省にあります。」
「…そうか。では皆もそれでよいか?」
だがここで軍部大臣が口を出す。
「陛下、具申がございます。」
「ふむ、述べてみよ。」
「御意。さきほどシャンデリア殿下が仰られたように責任は内務省にございます。その大臣が復興を主導とは、他の貴族の理解は得られないのではないでしょうか?」
「確かにそうだな。しかし今は復興を最優先に考えるべきだ。こうしている間も民は苦しんでおる。とはいえ軍部大臣の言うことも最もだ。シャンデリア内務大臣よ、何か意見はあるか?」
(どうするシャンデリア?、ここが分水嶺だぞ。)
「そうですね。確かに治安の維持は内務省の役目です。しかしながら暗部によって行動を制限されたのは事実です。まぁ、これが水掛け論になることは容易く想像されますが…。それと誠にお恥ずかしい事に私まで情報は上がってこなかった。これもまた内務省の動きを制限しました。そして先程は申しませんでしたが、情報をせき止めていたのは他国と通じた職員です。これまでに匿名で内部告発があったので慎重に調べており、容疑は固まっていたのですが、捕らえる前にこのような事態になったのは甚だ遺憾です。現在、容疑の固まった人物を反逆罪で生死を問わず、確保に向かわせております。ですからもう一度だけチャンスをいただきたいのです。私が一切悪くないなどということは申す気はございません。しかしそこに至るまでの経緯も考慮して頂きたいのです。もうこのようなミスは致しません。」
ここで不自然に誇張された他国という言葉。他の大臣たちもその隠された意味を探る。省の職員はほぼ貴族の長男以外がついている。そんな彼らが帝国を裏切るような真似をできるはずがない。バレたら家からも切り捨てられるのだから。
ならばこの言葉に隠されているのは――
(ぬう。家に便宜を図りすぎた職員の罪を黙認する代わりに裏切り者に仕立て上げるという事か。…何と恐ろしい、これは他の貴族たちも大人しくならざるを得ないであろうな。どうやら追い詰めすぎてしまったようだな、バーユ軍部大臣よ。)
一部の大臣は理解していた。シャンデリアの発言の意図を。真っ黒に染まった職員はおそらく家にまで累が及ばぬように切り捨てられる。そしてそれを踏まえたうえで生死を問わず、と言っているのだ。残るのは個人として他国と繋がり、帝国を裏切ったという結果といくつかの死体だけだろう。そして恐らく自分の進退にも口を挟んでくるな、という意味も含まれているのだろう。
「それは…確かなことでしょうか?」
「勿論よ。陛下の御前で嘘をつくわけないじゃない。もしかしたら他にも何か悪さをしているかもしれないわね?」
美しく微笑んでいるように見えるが、その場にいる一部の人間たちにはまるで悪魔が微笑んでいるように見えた。
(切り札は切るべきときに切るから切り札なのよ。彼らの悪事を暴かない代わりに黙ってもらいましょう。)
(ぬう、なるほど。ここまで一切動かなかったのはこういう時のためにとっておいたのか。くそ、この女狐が。)
(恐ろしいわね。…また帝位争いが激化するわよ。これは。)
いくら貴族とはいえ、いや貴族だからこそ家族が殺されればメンツにかけて黙っていないだろう。だが、おそらくシャンデリアも退かない。そうなれば待っているのは更なる帝位争いの激化。もはや皇帝ですらこれまで以上に気軽に干渉できなくなるだろう。
「ふむ、ということだそうだ。バーユ軍部大臣よ。」
(見事だ、その手腕。帝位争いに関与しない皇帝の隙間をうまくついておる。)
「…最後にお決めになられるのは陛下です。陛下が良いと仰られるならば私から言うことはございません。」
「そうか。ではシャンデリア内務大臣よ、勅命を下す。復興に励め、復興が終わればしばらくの間、謹慎せよ。後にシャンデリア内務大臣の主張を精査する。正しければ此度は様々な事情を勘案して許すが、もし嘘をついておれば…分かっておるな?」
(本来ならエンベルトがシャンデリアを叩くべき。疑念はいくつかあるが、エンベルトが追及せぬなら儂も追及できんぞ。一応話の筋は通っておるからな。…それにしても暗部に責任をなすりつけるとはなかなかの豪胆さだ。)
帝位争いに関する皇帝のリミッターが発動する。
「むう、殿下の話が本当なら妥当な処分かもしれないが…」
「しかし、嘘という証拠も今はないでしょう。」
「ですがこの帝都の被害に対して謹慎というのは軽すぎなのでは?」
「では貴殿が具申されれば良い。」
「いや、それは…」
シャンデリアに対する軽い罰に様々な意見が小声で交わされる。しかしシャンデリアは一切気にも留めない。どうせ何も言えないだろうと思っているのだ。事実それは正しい。皇帝の勅命に意見する勇気あるものは今の大臣にいない。
「御意。」
(ふう、何とか凌いだってところかしら。もうすでに隠蔽工作は開始しているから何とか間に合うはず。あとは派閥にも根回しが必要ね。それにしてもエンベルトは大人しいわね。もっと噛みついてくると思っていたのだけれども。)
身体から力が抜けそうになるが、そのような素振りは一切見せない。他者に弱みを見せれば付け込まれるだけだ。
「それとモルテ教を潰す。各領主に通達せよ、教会と信者は一切認めないとな。教会は潰し、信者は国外に追放せよ!!」
「「「御意」」」
(((陛下キレてるぅ)))
図らずも見事に心の声が一致したのだった。
しかしシャンデリアはその限りではない。
「陛下、ご提案がございます。」
「なんだ?」
「内務省にも情報機関を設置すべきかと。陛下直属の暗部という非公式な存在はございますが、公式にも情報機関は必要かと。」
だがこれには各大臣が難色を示す。ただでさえ強い内務大臣という権力の椅子をこれ以上強化させるわけにはいかないのだ。しかも現状、居座るのは隔絶した雰囲気のシャンデリア。是が非でも抵抗したい。
「ふむ。一理あるな。」
(この場で提案する胆力、見上げたものだ。願わくば儂の心労も考慮してほしかったが。)
「いや、待たれよ!!。情報部は軍部にも…」
ここで焦って軍部大臣が失言してしまう。とっさに口ごもるも時すでに遅し。
「あら?、軍部にもあるのかしら?」
「い、いや、それは…」
「もしあるのだとすればこの事態の責任は軍部にもあるわね。何せ情報を集めているものねぇ?」
(真性のバカね、まぁ、私にとってはありがたいけど。)
「バーユ大臣よ、正直に答えよ。存在するのか、情報機関は?」
「い、いえ。情報機関と呼べるほどのものは。」
「でも情報を集めているのよねぇ?」
「そ、それはその通りですが。あくまでも一つの部であります。それも主に外敵の軍に向けたものであって内側の敵に向けたものではありません。」
「ではなおさら内務省に情報機関は必要でしょう。」
「しかし…、内務省にはそういうノウハウはないのでは? その点軍部にはノウハウがございます。」
「そういう問題ではないのよ。治安の維持は内務省の仕事なのに内務省が情報機関を持っていないのはおかしいでしょう。何かあれば責任は内務省に降りかかってくるのだから。」
「くっ…」
先程までとは異なり、シャンデリアが主導権を握る。
「いかがでしょうか、陛下?」
「…いいだろう。だが情報機関を設置する以上、絶対にミスは許されん。分かっておるな?」
「御意。」
「ではその点は後程、財務大臣と話し合え。他に意見のあるものは?」
ここで一人の大臣が挙手し、発言の許可を求める。
「ハッ、よろしいでしょうか?」
「ふむ、何だ。法務大臣よ?」
「帝立学園はどうされますか? 非常事態宣言に伴い、帝都の出入りは厳しく管理されます。もし学園を休学とするならば迎えの貴族で混乱する可能性がございます。」
「うーむ、皆はどう思う?」
「復興するまでは休学とするのが適当な判断だと思われますが?」
「私も同意いたします。もし学園の子供たちに何かあれば貴族たちは黙ってないでしょう。」
「だが、貴族が一斉に押し寄せれば混乱は必至かと…」
「しかし、帝都にとどめておくわけにも…」
大臣が意見を交わすが、話は纏まらない。
「ではこうするのはいかがでしょう? SS級冒険者に学園の防衛を頼むのです。その間にばらけて迎えに来てもらうのです。」
「おお、流石はシャンデリア殿下、素晴らしい案ですな。」
「うむ、実に素晴らしい。」
「いかかでしょうか、陛下?」
「…良かろう、学園の方はそれでいく。他に意見のあるものは? …いないな、では解散。あとシャンデリアよ、その格好を何とかせよ。」
「御意。」
それぞれ復興に向けて動き出す。そして派閥の仲間に伝えるのだ、シャンデリアの変貌を。
ーー??ーー
帝城をシャンデリアの冷たい雰囲気が包む。
「…これは何だ?」
珍しく真剣な顔をしたゼルドア。まるで本気の兄がいるような感覚。だが本物の兄はめったに本気にならない。それに兄は目の前にいる。
「くく。覚悟を決めやがった、あのアマ。これは面白い事になりそうだぜ。」
「この雰囲気、兄さんと似てるね。」
「ああ。だが少し違うな。」
(まさかこれほど化けるとはな。ここで落ちると思ってたが、ひょっとしたらひょっとするかもな。今はまだ帝城だけだが、いずれは…)
「楽しそうだね、兄さん。」
「あァ、どこまで昇るか愉しみだ。」
ーー??ーー
「やっと爆発が止まったな。」
「しかし、誰がこのような事を?」
「おそらくリーバー兄上達だろうな。大方シャンデリア姉上を排除しようとしたんだろう。」
(それ以外に理由があるとするならばエンベルト兄上潰しだが…、帝都を襲撃するだけでは無理なはずだ。)
その後もノルヴァリアとお付きのハンゼルトと話していると、不意に上の方から冷たい雰囲気を感じた。
「これは…」
「なんだこの圧は?」
一瞬素に戻ってしまうハンゼルト。それだけこの雰囲気は異常だった。
(…どこかリーバー兄上に似ているが違う。もしかしてシャンデリア姉上か? …でもなぜだ?)
「なぁ、おそらく今は会議が行われてるよな?」
「そうですな。おそらく今後の対応に関する協議が開催されているかと。」
「…俺は思い違いをしていたのかもしれない。」
必死で頭を働かせるノルヴァリア。自分の予想と事態が一致しない。
「どういうことでしょう?」
「…これだけのことが帝都で起こったんだ。普通なら即失脚だ。シャンデリア姉上もそうなると思っていた。しかし―」
(仮に何らかの方法で責任から逃れたとしてこれだけの冷たい雰囲気を出すということは…、恐ろしいことになるかもしれない。)
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