第101話 いろんな情報
用事のため、ペースが落ちます。
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メデラウへ向かって飛んでいると、ミリアが話しかけてきた。
「ジン様、闇オークションの招待状なんてどうやって入手したのですか?」
やっぱり聞いてくるか。なんて答えよう。
「たまたまある依頼の時に闇オークションの存在を知ったんだ。そこで興味を持って調べてみたらいろいろ分かってな。こっそり盗んだんだ。」
「とんでもないですね。で、今はどこへ向かっているのですか。」
「メデラウだ。主催者が財務大臣だからな。」
「ええっ。本当ですか?、大臣が闇オークションを開くなんて。」
「事実かどうかはすぐに分かる。ミリアも実はワクワクしてんじゃない?」
「してませんよ!!、ドキドキしています。」
「言っとくけど暴れるのはなしな。元近衛騎士団長だからって変な正義感を出さないでくれよ?、俺はミリアを信頼して話したんだからな。」
信頼って言っとけば、裏切りにくいだろ。なぜなら、裏切れば俺からの信頼を失うんだからな。
「…しかるべき当局に通報するということはしないのですか?」
ほらな、ぬるい手だ。
「しない。楽しみを自分でなくしてどうする。どちらかというと俺は賛成派だ。それにミリア、今のお前はメイド。父上たちがいない今、暫定的な主人はおれだからな。命令には従ってくれよ。」
ここで命令を下せば従わざるを得ない、はず。
「…はぁ~、分かりました。ジン様のおっしゃる通り、今の私は一介のメイドにすぎませんからね。闇オークションを潰すのは私の仕事外です。」
…完璧だ。
思わずにやけそうになるが、頑張ってこらえる。
「理解してくれてうれしいよ。さぁ、スピードを上げて向かうぞ。」
「ゴウゴウ」
風切り音が大きくなる。
(マスター、丸め込めましたね。)
(な?、なんとかなっただろ。)
(すばらしい話術です。詐欺師に向いてますよ。)
(…誉め言葉として受け取っておこう。それより、ラウドの死体は処理したっけ?)
(忘れてましたね。招待状にしか目がいってませんでしたから。)
(っち、俺までたどり着かれることはないだろうが、殺害されたのはバレるかもな。)
(大丈夫だと思います。近くにはシルバーイーグルの死体がありましたからね。それにつられて仲間のシルバーイーグルがやってきて遺体を食い散らかすと思います。)
(ならいいが…)
(それと速報です。フォーミリア王国で経済混乱が起き始めています。マスターがヴァルクス商会から金庫を盗みましたから。)
(へー、それにしても結構持ったな。一か月は耐えてたんじゃないか?)
(国が全面的に支援していたようです。ヴァルクス商会が崩れたら国も困りますから。ですが、そろそろ支えきれなくなり、いくつかの取引も停止し始めているようです。それと、ヴァルクス商会は盗まれた金庫を探しています。どうやら冒険者ギルドに依頼まで出したようです。)
(まぁ、俺までたどり着くことはないだろ。それより、混乱がどこまで波及するかだな。おそらくユーミリア公国への侵攻も延期されるだろうし、国力も大きく落とすだろう。帝国にとっていい事尽くめだな。この期間に有効な手を打ってほしいな。帝国はでかすぎて動きが鈍い。)
(それだけではありませんよ。皇子たちが皇帝の座を狙って争ってますから、互いに手柄を立てないように足を引っ張りあっているのです。)
はぁ?、アホか。帝国のために動けや。
(おい!!、初耳だぞ。どうして言わなかったんだ。)
(判明したのが最近だからです。ずっと、書類しか確認してませんでした。これは私の落ち度です、人の事を見てませんでした。)
(なら、次は気を付けてくれ。)
(了解。)
(それで誰と誰が争っているんだ?)
(第一皇子、第二皇子、第五皇女、第七皇子です。まだ手が足りていなくてそれぞれの陣営は調べることができていません。)
(そうか、引き続き調査してくれ。)
(了解。)
それにしても皇帝になりたいやつとかいるのか。あれこそ帝国の奴隷じゃねぇか、全く理解できないな。
パールと会話していると、光で明るい大きな都市が見えてきた。
「ミリア、あれがメデラウだ。高度を上げるぞ。」
「上げるんですか?」
「ああ、付いてきてくれ。」
そしてメデラウの上空で止まる。視力を強化して人の少ないところを確認し、自分とミリアに幻術をかけて周囲に溶け込む。
「これは、闇魔法ですか?」
「ああ、降下するぞ。」
人気の少ないところに着陸する。
「侵入成功。」
「いや、普通に犯罪じゃないですか。」
「ミリアも共犯者だからな、一蓮托生だぞ。仲良くしようじゃないか。」
「ずいぶん慣れてましたから、よくやってたんですね。」
「まぁ、そんな些細なことは置いといて店に向かうぞ。」
「はあ~。やってますかね?」
「勿論。ここは眠らない街メデラウだぞ。さぁ、いくぞ。」
「分かりました。」
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