第13話 新たな仲間
「ところでお前、流石に宇宙船は連れて行けないぞ。」
「もちろんです。わたしは世界一の人工知能ですからね、問題ありません。」
すると、宇宙船の下が光り、一気に消えた。
おそるおそる近づいてみると、一つのペンダントが落ちていた。
「これは、…」
「それは、私を作った博士が希望を込めてその色にしたのです。新しい星がまた登るように。」
そういうことを聞いてんじゃねぇ。人工知能のくせに理解力ゼロか。
そこには、白色の球体が浮いていた。
「で、それが本当の姿ってか?」
「いいえ、私の本体は避難船と同化していますが、情報をこの物体に送り込んだのです。」
「ふーん、なあ、このペンダントに宇宙船が入っているのか」
「そうですよ。…もしかしてそういった技術は失われたのですか?」
技術ねぇ、魔法とは思ってないってわけだ。
「そうだ。魔法陣に関する知見は失われ、今の人々は復活させようと躍起になっている。」
「そうですか。ところで、あなたは何者なんですか。年齢の割に落ち着きすぎです。」
「俺と長くいれば、そのうち分かるかもな。ここには他になにか目ぼしいものは無いのか。」
「強欲ですね。マスター。そうですね、これらはどうです?」
「なんだこれは、銀の仮面、こっちは笏?」
「その仮面は博士が作ったもので、正体を完璧に隠すことができます。あと、そちらの笏は魔力を流せば思い通りの形にできますよ。ただ、形を保っている間は常時魔力を流し続ける必要がありますが。」
「凄いな、これはとても便利だ。」
これがありゃ、冒険者として活動できそうだな。いざとなれば仮面を外して一般人のふりすりゃバレないだろうし。
「他にないのか?」
「腐った食事ならありますよ。」
「いらん、捨てとけ。というか腐っているのか?」
「流石に彼らといえども、時に干渉する魔法陣は作れませんでした。まあ、あのまま発展し続ければ時間の問題だったとおもいますが。それよりもマスター、私に名前を下さい。」
「名前がないのか、じゃあ、そうだなぁ、パールでよくね」
「パールですか、分かりました、登録が完了しました。」
「というか、そろそろいい時間だからな。帰るぞ」
そうして、俺たちは家に帰っていった。
驚いたことにパールは魔法陣を4つ展開し、ジェットエンジンのように飛んでいた。
家に到着すると
「おい、パール、姿は消せるか」
「はい、可能です」
そういうと、魔法陣を四方に展開し、姿が消えた。
「おれは、もう驚かねぇぞ。」
「それは残念です」
めちゃくちゃ棒読みじゃん。
まあ、いいか。
「ただいまー」
するとヤツが「気持ち悪いです」と呟きやがった。
だまれ。
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