第7話 転移魔法
俺は5歳になったので、屋敷から出ることは認められていないが、庭で一人で出るのは認められた。庭と呼んでいいのかわからないほど、広いが。
だから今日は稽古がないし、魔法の練習をしようと思う。あれから、毎日日課をかかさずしているせいか、魔力が倍くらいに増えた気がするんだよなぁ。成長期かな?、そのせいで、まだ半分くらいしか、魔力をコントロールすることができない。
また、最近では影分身を2体作り出すことができるようになった。自在に動かせるし、集中すれば視点を共有できるのだが、情報量が多すぎてはじめは、吐き気がしたもんだ。
だが、今日の目的は転移魔法だ。かつて、古代文明には魔法陣ではあったらしいが、個人の適性ではなかったらしい。おそらく、適性を持つ人がいてもイメージと魔力量の問題があるんだと思う。
そこで俺は10メートル先ぐらいにある、木の根本をしっかり脳裏に焼き付けて、一瞬で現れる自分の姿をイメージし、魔力を全身に纏わせた。
すると、ヒュンと浮遊感に包まれ、気がつくと木の根本にいた。
「よし、よし、よし、成功した。これはまじで、最大級の成果だな。見える範囲が可能ということは身体強化で視力を強化すれば緊急回避に使えるしな。しかし、なかなかの魔力消費量だな。これは慣れるしかないな。」
俺は、経験則として魔法を使えば使うほど魔力消費量が減ることを知っている。
つまり、練習あるのみか。また日課が増えそうだな。
夜になり、すこし仮眠を取ってから目を覚ますと
「よし、久しぶりに外に行くか。」
俺は前に、夜中に一人で闇魔法による影渡りを使い、こっそり外へ行ったことがある。
しかし、この世界にはモンスターと呼ばれる魔物の一種がいる。
前回、たまたま風魔法で大空を飛んでいると鳥型のモンスターに遭遇し、怖くなって家に帰ったのだ。
ふん、4歳だったから仕方ない。まあ、今回は転移魔法があるから逃げるのは余裕だろ。
「さあ、出発だ」
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