第4話 お伽話

「みんな、いるわね。今日はこの絵本を読むわよ」                   「それって、何のお話?」とサラが聞く。

「これは古代文明以前の世界に存在したと言われる傭兵アルフォンスのお話よ。じゃあ、読むわね、昔々ある所に一人の傭兵がいました。その傭兵は小さいときから戦場で戦っており、いつしか剣王とよばれるようになりました。アルフォンスは自分の定住他を求めていましたが戦えば戦うほど、居場所がなくなっていきました。しかし、あるとき旅の途中で一人の女性と出会い、恋に落ちました。しばらく二人で住んでいましたが、大陸では黒竜が暴れ回り、いくつかの国が滅亡してしまいました。そこで残った国々は力を合わせて黒竜を倒すことに決め、各国は有力者を大陸中から集めました。そして、剣王アルフォンスのもとにも使者がやってきて協力を求めました。一度は、アルフォンスは依頼を断りましたが、第一陣が壊滅し、第ニ陣に参加することになりました。黒竜は大変強く、剣王以外はやられてしまいました。アルフォンスは最後の気力を振り絞り、なんとか黒竜を倒しました。しかし、無傷とはいかず、怪我がひどく今にも死んでしまいそうでしたが、アルフォンスは大切な人を守れて幸せでした。そのまま、アルフォンスはちからつきてしまいました。お終い。」                 

最後はお終いでこの世界でも終わるんだな。にしてもアルフォンスというのはあれだ、お人好しだな。自分本位なスタンスを取っているが結局は優しいやつだ。大切な人を守るだけなら、戦わずにどこかに逃げてひっそり暮せば良かっただけだしな。 

「うぅ、悲しいお話ね」                 

「そうだね、ひっく、」          

やべぇ、俺も泣かないと。くそ、玉ねぎがないと泣けねぇ。               「あらあら、でも剣王でも死ぬんだからあなた達も稽古頑張らないとね」         それはおかしいだろ、オレの魂の叫びがほとばしった。                 「僕は民と家族を守れるようにもっと頑張る。」                   「私も、守れるように頑張る」        

これは俺も行く流れか、おい。いやスルーだな。                     そうこうしているうちに、夜となり夕食の時間となった。                 食事が終わると俺は自分の部屋に戻りいつもの日課をこなす。まず、瞑想し丹田の魔力にゆっくり干渉し、支配下に置く。それが終わると、無属性でベッドをスクワットのように百回上げ下げを2セット行う。 

そして、火の玉を十個思い浮かべ、自由自在に空間をかけていく。水の玉も作り同様に行う。風魔法では体を浮かし、ホバリングのように待機する。これがかなり難しい。初めの頃は、調整を誤って天井にぶつかりかけたからな。闇属性は影を操ることができ、影分身ができないか日々試している。                      

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