第2話 1歳
時の流れは早く、俺は1歳となった。
言語は既にマスターしているが、分からないようにしている。
下手にやるとめんどくさいことに繋がるのは目に見えているからな。
また、俺には姉と兄がおり、姉の髪は赤色、兄の髪は金色で俺は黒色だ。
姉の髪は祖母の遺伝なんだとか。ちなみに魔力はまだ完全に操ることはできておらず、せいぜい3分の1ぐらいだ。
しかし、前に火を想像したら人差し指から火柱が出て慌てて消したもんだ。家でやるもんじゃないな。しっかし、どこに書斎はあるのかね。
このところずっと俺は屋敷を歩き回り書斎を探していた。
「ジンー、どこにいるの?」
そんな声が聞こえ、俺は無視する。
いやだって一歳児がわかるわけないからな。
俺は廊下をテクテク歩く。すると
「こんなところにいたー」
と言いながら姉のサラがやってきておれを抱きかかえる。
サラはおれより4歳上の5歳だ。見ての通り、お転婆だ。 「外で遊ぼー」
またか。率直に言ってだるい。俺の精神年齢は今世をふくめると18だからな。さすがに泥遊びはきつい。
そう思っていると
「あら、何をしているの二人とも」
という声が聞こえてきた。
「母上、今からジンと外で遊ぶの。」
「もうすぐ雨が降りそうだから室内にしときなさい。」 「えー」
「えー、じゃありません。教養の稽古を増やしてほしいのかしら。」 「ごめんなさい、室内で遊ぶわ。」
「ジンに絵本を読んであげたら、どう?」
「絵本の字はあまりよめない…「本?」」
俺は強引に割り込んだ。書斎の場所がわかるかもしれないからな。
「ほら、ジンも気になってるわよ。」
「わかったわよ、ほらこっちよ」
といいながらサラは階段を登っていく。
待て待て、お嬢さん、俺はまだ一歳だぞ。ついてけねーよ。
そしてゆっくりついていくと、使用人が住んでいる区画までやってきた。
なるほど、ここは盲点だった。
そう思っているとサラが扉を開き、中に入っていく。中にはたくさんの本があったが、ここで衝撃的なことに気づいた。
俺、文字読めねえ…またお勉強か。魔法のためだやるしかねえ。俺はありったけのやる気を振り絞り、そう思った。
その日、サラは本をほとんど読めず、教養の授業が増えた。
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