夜鳥の夢

秋月漕

序文

早太はやたつつと寄り、落つるところを取つて押さへて、続けさまに九刀ここのかたなぞさいたりける。その時、上下手々じやうげてんでに火をともいて、これを御覧ごらんじみ給ふに、かしらは猿、むくろたぬきくちなわ、手足はとらの姿なり。鳴く声ぬえにぞ似たりける。恐ろしなんどもおろかなり。

———『平家物語 鵺』




今は昔、京のみやこもの在り。名をぬえう。

鵺の声を聞きしもの、たちまち病にふせると謂う。

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夜鳥の夢 秋月漕 @imshun

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