花になる
@mimi_vv
第1話 出会い(ゼラニウム)
先輩、あの頃の私は恋をするにはまだ早すぎる、曖昧な心、未完全な自分と向き合っては崩れ落ちていく。そんな毎日を送っていました_。
ピピピピ- a.m.6:30
いつもならこのアラームの音は聞こえない。でも不思議なことに今日はすんなり起きることができた。
私、一ノ
中学に入学してからはやいことにもう二週間が経過した。なんの変哲もない平和で穏やかな日常がゆっくりと流れていく。
-学校-
「新入生テストも無事!終わったことだし、今日の放課後はみんなお楽しみの部活動見学だぞー!」
先生の一言でさっきまで疲れきっていたみんなの顔がパッと明るくなる。
「凛桜はやっぱり陸上するの?」
そう声をかけてきたのは幼なじみで親友の
「うん、まぁね」
軽く返事をして、陽向と校庭へ向かった。
一、二、三、四、二、二、三、四
優しい陽に照らされる広い校庭には、奥から野球部、サッカー部、陸上部、と各々の練習メニューをこなしている。
陽向がテニス部へ行ったので私は陸上部の方へ視線を向けた。高いハードルを軽々と走り抜ける先輩達の姿はかっこよく、憧れそのものだった。
(すごいなぁ…。今までとレベルが違うや)
「危ないッ!!!」
その声と同時に小柄な私を誰かが包み込んだ。
ドンッ/
どうやら、サッカーボールが飛んできたらしい
「イテッ、と、大丈夫!?怪我ない?」
そう驚いた様子で私の顔を覗き込んだのは、スラッと高い身長にクルっと癖のある髪、サッカーのユニフォームを着た先輩らしき人だ。
「私は大丈夫です、逆に大丈夫なんですか?」
私の問いかけにホットした顔をした彼は
「よかったー。俺は平気平気!」
と眩しいくらいの笑顔で答えた。
「俺は三年の
「あ、えっと、私は一年の一ノ瀬 凛桜です。」
「いい名前!怪我なくて安心したよ〜。あ、ごめん集合しなきゃだ。じゃ!!」
慌ただしく去っていく彼の背中からしばらく、目が離せないでいた。
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